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あなたが弁護士等で、夫から相談を受け、妻が覚えのないDVを理由に子どもを連れ去ったと相談を受けたときにその1 [家事]

本当は、妻が子どもを残して
家から追い出されることがあるのですが、
それはまた別の機会にお話します。

今回は、典型例
妻が、子どもを連れて家を去ったというケースについて検討しましょう。

まず、奥さんの連れ去り前の精神状態なのですが、
きわめて不安定で、
将来を悲観的にしか言わず、
前は喜んでみていたテレビも
興味を示さない等異常な状態に心当たる場合は
心中などの危険もありますから、
速やかに安全の確保を図るため、
奥さんの親戚、知人に協力を仰ぎ、
警察への相談も含めてありとあらゆる手段をとるべきです。

次に、警察などの保護を受け、
どうやら安全は確保されているという場合です。

警察は、
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律等の運用上の留意事項について(通達)平成25年12月20日付
という長ったらしい通達があり、
本来、
1)配偶者、配偶者であった者から
2)「身体に対する暴力」または生命などに対す脅迫を受けた者で申出を相当と認める場合、
被害の防止措置をとることができます。

身体に対する暴力などに限定したのは、
精神的暴力も含ましめると
国家権力の過度の関与となり、職務権限を越えるためだ
と通達は述べています。

しかし、実際は、
本来関与できない精神的DVに対しても
事実上支援措置をとることがあります。

なんの法的根拠がなくても、
奥さんの居住している場所や実家に
「近づくな」と電話をして来たり、
警察署内において被害防止交渉に立ち会う事例もありました。

DV事案だということで、
警察官も生身の人間ですから、
かなり「構えて」対応しているし、
もともと人情に厚い人たちですから、
弱い者の味方をするという本能があるようです。
DVという言葉が、リアルな人間性を
すべて捨象してしまう暴力的要素があることを押えてください。

これに対して目くじら立てるよりも
クリンチ作戦をお勧めします。

身体的暴力がないのであればですが、

自分の妻が警察官にお世話になっているのだから、
それも自分たち夫婦の問題で迷惑かけているということで、
謝罪、お礼、事情説明をするのが
人の道なわけです。

場合によっては、弁護士もこれに同行することが
必要な場合もあります。

ここでおさえていただきたいのは
警察官は、抽象的に暴力夫というイメージでこちらに対応しているので、
実物を見せて、安心してもらう。
警察官が、奥さんに辟易している場合も多いので、
解決の糸口を考えているということをお話しして安心してもらう
ということです。
そうして、人間と人間の関係が長くなるほど
情が通じてきます。

目的は通達に反する過度の介入を遠慮いただくこと
ステロタイプのイメージを払しょくしてリアルに見ていただくこと
奥さんの居場所の近くを通りかかって
奥さんが警察出動を要請したというケースがあるのですが、
要請があれば、
警察官は出動しないわけにはいかないのでいらっしゃいます。
事前に面識があれば、
サイレンなど鳴らさずに
静かにいらっしゃっていただけるかもしれませんし、
話し合いで、その場を収拾することも
より容易になります。

要は、中立になっていただくということが目標です。

子どもの通う学校も
同様のクリンチ作戦を
人の親として当然のこととして
当然のことを行わなくてはなりません。

中立になっていただくというよりも
奥さんとの間では奥さんを優遇していただき
自分との間では可能な範囲での便宜を図っていただくということです。

また、実際、足を運んで、先生からお話をお伺いし、
子どもたちの様子をきちんと把握することが大切です。
学校も幼稚園も、DV夫というステロタイプのイメージを
刷り込まれていますので、
実物を見せて安心してもらうことが大切です。
何かと神経を使わせているのですから、
きちんと謝罪をするべきだとも思います。
そうすると、大抵は安心します。
有益な情報が得られる場合もあります。

次に居住先の調査ですが、
夫が暴力をふるっていなくても
妻が追い込まれた精神状態になっていて、
夫の存在にパニックになっている場合があります。

妻自身に原因がある場合
不貞、家計の使い込み、家事不能等の場合や

産後の精神不安で
疎外感を感じて、自分だけが家族の一員から外されている
自分の実家が低く扱われている等ということを
病的に思いこむ場合があります。
これが連れ去りのケースで多く見られます。

夫が妻に、知らず知らずに心理的圧迫を加えている場合
http://www001.upp.so-net.ne.jp/taijinkankei/omoikomi.html

http://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2014-02-14

暴力がある場合が典型的ですが、
暴力がなくても、夫を生理的に受け就けなくなり、
声をかけられただけでも、失神する場合もあります。

この点を配慮するべきです。
妻の精神状態に配慮せずに
何が何でも居場所を突き止めて乗り込むことは、
多くの場合、その時会うことはできても
後に、子どもを含めて、
家族再生が不能となるようです。

配偶者加害事案
支配を目的とした暴力などの言動があった事案は
面会交流を直ちに行うことにこだわらず、
時間をかけて、子どもたちの健全な成長のためになる
活動を行っていくべきだと思います。

http://www001.upp.so-net.ne.jp/taijinkankei/kajityousei.html

さて、居場所ですが、
実際の居住地に住民票が移動されている場合は
弁護士は閲覧できますが、
上記理由もあり、依頼者に教えることは
弁護士倫理に反すると考えています。

これまでの経験からは、
妻の両親が健在の場合は、
妻の両親の元で暮らしていることが圧倒的に多いです。
実際は、あまり夫を怖がっていない場合です。

その圧倒的多くが、
妻の両親は、
夫と話し合いをしようとすることはありません。
自分の子どもである妻を虐待したからといって
意見してやるとか
懲らしめてやろうという行動をとる両親は極めて少ない
(実際はない)

警察のDV防止措置は、事実上の保安処分でして、
いの一番に行うよう通達されていることは
居場所を知られないようにすることです。
これが、案外細かい方法論まで記載されています。

レクチャーを受けているので、
妻の両親は、知っていても言わないです。

このようなケースで圧倒的に多いのは、
妻が、自分の実家と折り合いが悪かった
というケースです。

それが産後の心境の変化で、
実家との精神的結びが強くなるようです。
何よりも、実家にいることが楽なことに気が付きます。

妻の両親も、
妻の言いなりに夫を排斥しようとする傾向があります。


クライアントの夫の心情を把握することが大切です。
連れ去られた夫は、
通常は、その原因が思い当たりません。

子どもから引き離されることは
現代の男性に対しては、極めて深刻な喪失感を与える
場合が多いです。

安心しきっていた家族という仲間の中で、
予兆もなく、自分だけが仲間はずしにあって、
人間としての資格を否定されたような
そんな疎外感を受けるようです。

現実に、連れ去られた夫の自死の事例が多いです。
妻だけでなく、警察や役所等
ステロタイプの暴力夫という対応をしますから
余計疎外感は加速されていきます。

抗議の焼身自殺をしようとしたところ
それを止めようとした子どもが巻き込まれて
二人とも焼死したというニュースもありました。
やりきれない思いになります。

代理人は、依頼者のこのような心情を理解し、
あくまでも普通の大人同士のやり取りを心掛けましょう。

また、妻の感情形成が不合理だとしても
結果としてパニック症状などがあるのであれば、
それは考慮しなくてはなりません。

どちらが悪いという判断は夫婦関係にはなじまないと思います。
夫婦関係の状態に不具合が生じており、
それに気が付かないで、放置された結果の状態だと
考えましょう。

そうしないと解決策は見えてきません。

双方の代理人は、
一番弱い子どもの、健全な成長の観点から
行動を策定し、常に検証を行い、
自分のクライアントに提案していくことが
法の理念からは求められると考えます。

時間がなくなりましたので、
今日はこの辺で、
未定ですが、なんか補充があると思います。



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