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疑心暗鬼と不安というシステム 解消の方法の提案 [家事]

離婚事件を担当すると
最終的にはこじれていて
なかなか修復することが難しい場合があります。

しかし、丹念に事実調査をさかのぼっていくと
あるいは相手方の意見も聞いてみると

どうやら誤解から出発して、
小さな不信や疑心暗鬼が
つもり重なって、大きな疑心暗鬼になり
生理的嫌悪という感情になっていくようです。

これは「不安」という生きるためのシステムが
誤作動ともいうような過剰反応を起こしているようです。

動物は、身体生命の危険を感じると不安になり、
行動を修正します。

危険な猛獣を見たり、
仲間が敵に襲われて叫んでいたり、
腐った臭いがしたり、
食べてみたら違和感があったり

こういう場合
そちらの方向に行かない、
別方向に逃げる
それを食べたり触ったりしない
という行動の修正ですね。

群れを作る動物である人間は、
群れから外されることは死活問題ですから、
身体生命の危険を感じるように
仲間から外される危険を感じて
行動を修正するわけです。

自分だけ楽しくふるまっていると
誰かから攻撃されたり批判を受けたり、
仲間が悲しんだり傷ついたり
ということで、
行動を修正するわけです。

群れに協調的に安住するため
人間は対人関係上の危険に敏感で
不安を感じやすくなっています。

もっとも、感じ方には個性がありますが・・・

この典型的なものは夫婦です。
もともとは他人で、育った環境も違うわけです。
自分の行動が相手にどのように評価されるのか
無意識に不安になってしまうことは当然です。

この不安の正体を自覚したら
どうなのよ?と尋ねたり、
ごめんごめんドンマイドンマイと
コミュニケーションをとって、
不安を解消することができます。

しかし、不安の正体を自覚しない場合は、
解消する行動をとらず、
不安が蓄積していってしまいます。

相手方の些細な言動が
自分を攻撃していると思うようになります。

「風呂場のカビ何とかしなくちゃね」
というような会話も
「自分がちゃんと洗わないからカビが生えた
 と怒っているのか?」
というように受け止めるということですね。

信頼関係の強い夫婦ならば
あるいは不安を感じにくい個性ならば
「じゃあ頑張ってね。応援するよ。」
っていう場合もあるのです。

損をしていると思いませんか。

再び申し上げますが
こじれてしまったら修復は難しいです。

相手の不安を取り除く、
意識的な活動をするべきです。

端的には愛をささやくことですが、
実務的には、
あいさつすること(おはよう、いってきます。おやすみなさい)
相手の行動に感謝することです(ありがとう、これおいしいね。お疲れ様)
心配すること(どうしました。それはいたいね。何でも言ってね)
敵意のないことを示し、責任は自分がとるという姿勢を示す
(ごめんなさい)

行動としては、
一緒に行動する。外に連れ出す。
時間やお金、動作をその人の為に使う。

気にかけているよ、一番大事だよというメッセージなのですね。
それで喜んでくれるなら、安心してくれるなら
とてもかわいいじゃないですか。
大体は、それで安心して楽しくなることが多いようです。
そんなことで、なのですが、
そんなこともしない人が多いのです。


相手が不安に基づいて
攻撃されていると思うと、
人によっては(少なくはない)先制攻撃をする
嫌味ととらえて倍返しするわけですね。

「風呂のカビ黒くなったね。」
「私は一生懸命換気もしている。
 あなたの水の使い方が悪いんじゃない。」

おいおいおい
ということになることが結構日常ではないでしょうか。

もう一つ大切なことは
相手の不安を自分への評価と結びつけないこと
不安は合理的に起きるのではなく、

体調だったり、環境だったり、
会社や友人関係の出来事だったり
社会情勢だったり、
いろんなことで起きます。

相手の攻撃に対して反撃しなければ損をしたような気持ちになってはいけません。
反撃の連鎖をまず自分が断ち切るという
憲法9条のような考えが
家庭では必要のようです。

なんか怒っている、イライラしている
とみると
不安を感じるシステムが作動して
自分が悪いのではないか、自分が仲間として評価されていないのではないかと
無意識に不安がうつってしまいます。

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
怒られまい怒られまいと思わないでどうぞ怒ってくださいと思う
大リーグボール一号のような考えこそ円満の秘訣かもしれません。

相手のイライラを受け止められるようになれば達人でしょうが
なかなかそうはいきません。
たまには反論することも精神衛生上必要だそうです。

家族が負の部分を受け止めて、
それを許し、
イライラが終わったらすぐに
「ところでさあ」
と何事もなかったように話を転換する。
こういう工夫が必要かもしれません。

大切なことは
不安というシステムは、
無意識に発動するということです。

自分の不安
家族の不安=いらいらや八つ当たり
は、
80%は誤作動を起こしているのではないでしょうか。

まず、攻撃を受けていると思わないで
自分に原因があると即断しないで

ああ、何か不安なんだ
苦しんでいるんだねと
思えるように
なりたいと思います。

どうやら優しくなるということは、そういうことらしいです。


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