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宇都宮連続爆発自死 彼は何を言いたかったのか。冤罪DV。 [家事]

平成28年10月26日追記 貴重なコメントをいただきました。この追記をするきっかけを与えていただきありがとうございました。 本記事は、本件が冤罪DVであったと主張するものではありません。一般的に冤罪DVが存在し、構造的なものであることを指摘しています。そして、その構造によって、当事者が追い込まれていく危険があると思っています。本記事で批判している対象は、本人だけです。他の方の落ち度や悪意は一切考えていません。本人を批判する理由は文中のとおりです。

この記事は、彼を擁護するものではありません。
特に、罪もない人に傷害を負わせたことについては
正当化はできません。
それでも、弁護士は、
先ず、依頼者相談者が何を言いたいのか
それを理解することから始めなければなりません。
理解したうえで、それは認められないというか
一緒に頑張りましょうというかわかれるわけですが、
客観的事実の有無の判断の前に
本人がどう感じているかについて把握する必要があります。

1 爆発自死という手段

自死の手段として、自らの身体を激しく損傷させる
方法がとられることはなかったことではありません。

これまでは、焼身自殺が典型でした。
何か理不尽なことで、強大な力によって
自分が虐げられている場合に
抗議の意思を表明する手段として用いられるものです。

怒りの対象にまっすぐに向かっているのですが、
怒りの対象が強大すぎるため抵抗する方法がなく、
自らの死をもって抵抗するという、
絶望回避のための自死という矛盾をはらんだ行動
ということになります。

彼が、抱いていた憤りとは何か
考えていきたいと思います。

2 退職金の使い込みは可能か

彼は、自分の退職金が相当使い込まれて、
残った1500万円も、裁判所に差し押さえられた
と言っているようです。

夫の退職金の数千万円を
妻は自由に引き下ろせたのでしょうか。

先ず、子どもを連れて別居、離婚という事件に
私は数多くかかわっていますが、
多くの場合で、夫は妻に給料から銀行口座から
すべてを預けている場合が多いです。
妻は、銀行のキャッシュカードも、
夫の銀行口座から引き落とされるクレジットカードも
すべて持っているのです。

極端な事例が多く、妻は躊躇なく
夫の給料が入ったら、直ちに全額引き落とす
ということをやっています。
夫は、文句も言わず、労働の対価である賃金を
全て妻に委ねていることが多いのです。
だから妻が去った後、夫の口座には
わずか数百円しか残っていないことも珍しくなく、
カードキャッシングされていたり、
公共料金や電気光熱費、家賃などが
数か月分滞納されていることもよくあることです。

また、一般的に使い込みがある場合、
ギャンブルに使う場合
誰かに貢ぐ場合であれば、
金がいくらあっても、
砂漠の水蒸気のように消えていきます。

青森県のアニータ事件もそうですが、
ホストクラブで大金を貢いだということもあるでしょう。
祈祷師などに支払ったということもあります。
とにかく領収書が出ないということが共通項です。

一度に30万円から50万円くらいを引き落とし、
月に3,4回くらい渡す
1年間もあれば2,3千万円を貢ぐことはざらにありそうです。

3 子どもの精神障害と夫婦不和

子どもの精神障害が夫婦仲を悪くするということはよくあります。
どちらかが現実の困難さに負けてしまうということですが、
父親が逃げる場合も、母親が逃げる場合も実際にはあります。

治療方針をめぐって争いになるということも多いです。


但し、現代的な問題は、
子どもが小学校くらいで、発達障害と診断され、
妻が治療に積極的で、
夫が治療に消極的で、特に投薬は必要ないのではないか
ということで争いになることが多いようです。

古典的には、本件のように、
病気であることを認めない親と
病気であることを認めて治療をするべきだという親との
対立があることが多かったと思います。

4 統合失調症は父親だけを攻撃するか

統合失調症は、程度や病気の現れ方が千差万別で、
こういう症状だということがなかなか難しいのですが、
妄想、幻覚、幻聴が特徴です。

また、その中の一つのバリエーションとして、
何か自分に不都合なことが起きると
父親が操作していて起きている、
父親が自分を亡き者にしようとしているとして、
おびえたり、父親に攻撃的になる
という例はあります。

そのように感じてしまう背景は説明できますが、
そうだとしても、そう感じるメカニズムについては
やはり病的な問題だということにならざるを得ません。

5 措置入院とDV

措置入院は、法に定められていて、
精神疾患によって、
自分を傷つけたり、他人に害を与えたりする危険があると、
2名の指定医という特別の精神科医が診察をした場合に、
知事や政令指定都市の市長が、
精神病院に入院させて治療を行う措置をするという
行政処分です。

強制入院ですし、
凶暴性があれば隔離されるでしょうから、
親同士の間で措置入院を要請するかについては
意見が分かれることもあるでしょう。

いずれにしても、措置入院は、
2名の精神科医、保健所、知事という
何人もの人によって慎重に決められます。
父親一人の判断で進められることではありません。

この点が離婚訴訟などで争点になっているようですが、
どのような争いになっていたのでしょうか。

彼のブログでは、
措置入院が、彼の「不適切な対応」と認定されたと言っていますが、
それはどういうことでしょう。

措置入院が現実に行われるまで、
即ち、精神科医の診察が行われるまでが、
最も困難な壁があるのです。

家で暴れていたり、自死を図っている当事者を
なだめて保健所などに連れて行くということは
通常ありえません。
家族は手が付けられない家族に対して、
自分の身の安全に対する恐怖と同時に、
相手の行く末を心配します。
治るものなら治したい、
とも角も命の危険を回避したいという強い感情があります。

一つには、暴行罪や器物損壊罪ということで
警察出動を要請して、
協力を得て、保護なり逮捕をして身柄を確保して、
警察から保健所に通報して措置入院に進むことになります。

警察官が到着する以前に、暴れている患者さんを
取り押さえて暴れるのをやめさせる
飛び出していこうとする者を制止する
ということも
必要になるかもしれません。

刃物を取り上げたり、
外に飛び出そうとしたところを抑えたり、
抑える過程で転倒したりして
出血したり、痣を作ったり
ということは、実際に起きていることです。

それでも、仮に措置入院が行われたというのであれば、
自分を傷つけたり他人を害する危険があったということですから、
やむを得ない行動だといわれなければなりません。
本人または家族の命が危険を守ったことになるでしょう。

もし、この制圧行為をとらえてDVだと言われたら、
もし、警察官に通報したことをとらえてDVだと言われたら
もうどうすればよいかわからなくなってしまいます。
好きで家族を精神病院に入院させたいわけではないのに、
あたかも虐待として精神病院に入院させた等と言われた
と感じたら、理不尽を感じて強く憤るでしょう。

6 DVはそんなに簡単に認定されるか

実務に多く携わっている者の実感からすれば
簡単に認定されると思います。

女性保護が極めてゆがんだ形で浸透しているからです。
社会的な女性保護が浸透しないどころか
労働過程などで見返りもなく切り捨てられていることの反動だと思います。
派遣労働者をはじめとする低賃金不安定雇用の形態は
女性の社会進出を口実の一つとして作り出されてきたものです。
家庭の中での夫を、国家権力が攻撃して、
相談件数、保護件数、支援措置件数等統計的な増加を示して
留飲を下げさせているのではないかという懸念があります。

事実について極めてあいまいな妻の主張をもとに、
精神的虐待が認められてきています。

とにかく、DVだということを警察に相談さえすれば
自分の居場所を夫から隠してもらえ、
住民票の閲覧制限につながります。

何ら暴力をふるったことのない夫が
警察署に連行されて、
二度と暴力をふるいませんと誓約書を書くまで
帰されないというケースもありました。

枚挙にいとまはありません。

最大の問題は、被害者に寄り添うあまり、
不合理な扱いが横行しているのです。

被害者は混乱している、支配されている
だから多少の支離滅裂は仕方がない、
夫は加害者だから冷静なのは当たり前。
DV加害者はうそをつくから言い分を聞くべきではない。

ということで、
行政のDV認定の過程で夫は一切言い分を述べる機会もありません。

これらはアメリカのDV事例に基づいて
アメリカ人が行った研究をもとにしているようです。

母親に連れられて家を出た子どもが
父親の元に戻ってきた事例がありました。
子どもの健康保険証を母親が持っていったので、
区役所に相談に言ったところ
区役所の職員から、
「あなたとは話すことは何もない」
ということで、行政サービスを拒否された事例もありました。
健康保険証には妻の新しい住所が記載されているからです。
しかし、そのケースでは、住所は妻の実家ですし、
子どももそれを知っているのです。
隠す必要性も全くなかった事案でした。

こうやって冤罪DVは起きます。
子どもの不利益は考えようともしません。

裁判所も、こうやって、DVの支援措置がなされているとすれば
DVがあったという先入観が生まれるかもしれません。
また、本人訴訟ということになれば
木を見て森を見ないということが良く起きますから、
反論も有効ではなかったかもしれません。

さらに保護命令(退去命令、接近禁止命令)が下される裁判所の部署
にも大きな問題があります。
日頃仮処分を行っている部署が保護命令も担当します。
だから、本来民事訴訟法上の証明が必要であるにもかかわらず、
簡単な仮処分上の疎明だけで、保護処分という重大な不利益を伴う
処分を下している可能性があるように思われます。

仮処分なら後に本裁判で争うことができます。
ところが、保護命令には本裁判はありません。
二度と争うことができなくなります。

そうして、保護命令が出たところで、
離婚調停が始まります。
裁判官の訴訟指揮で、
保護命令が出ている事案だから警戒を厳重にということで、
警備員が増設されることになります。
裁判所庁舎中が、緊張感に包まれることになります。

調停委員も、自分自身の身の危険を感じています。
どうしたって、身構えることになるでしょう。
この中で弁護士がいないのであれば、完全にアウエイです。

弁護士がいなく身を守れないということであれば
冤罪は起こるべくして起きるわけです。
もっとも、この点について理解や経験のない弁護士であれば
プラスの要素は限られてしまうことになるかもしれません。

7 冤罪DV加害者の心理

彼も、妻側の主張が、全く理にかなっていないので
よもや自分が責任を問われることになるとは
思わなかったのでしょう。
弁護士を頼まなかった理由もここにあったようです。

しかし、何を主張して、どこを裏付けを提出するか
ということは、弁護士でも難しいです。
一般の方が行うことは至難の業です。

先ず、一般的に、家から去った妻の行方を探す際に
役所も警察署も一切協力してくれません。
心配だから探すのに、みんな何らかの悪さをするために
捜しているのだろうという先入観もあります。

住民票がとれないというあたりから、
どうも自分に対する態度が、
自分のこれまでの職場やボランティア団体で受けていた
他人からの接し方と違うなということに
気付き始めるでしょう。

妻子の行方を探すことを警察にやめさせられるあたりから
理不尽な感覚を受けるでしょう。
但し、警察官は、態度を表に出さず、
丁寧な言葉使いをすることが多いので、
まだピンと来ないかもしれません。

次は、保護命令です。
自分のうちなのに2カ月退去しろとか
妻子の半径何メートルに近づくなとか
全くもって無礼な内容が要求されています。

この時点では、まだこんなことは裁判所が
認めるわけがないという確信がありますので、
不安や怒りはあるでしょうが、追い込まれているわけではありません。

次々に事務的に裁判は流れていきます。
ご自分では大丈夫反論し尽くしたと思っていても、
保護命令はよほど弁護士が奮闘しない限り通るでしょう。
奮闘しても裁判体によっては通ってしまいます。
おそらく、傷害を受けた痣の写真とか
全治何日の診断書が添付されていますので、
一応の疎明はありとされてしまうからです。

こんなバカなということで、愕然とされると思います。
控訴をしながら離婚調停に応じることになります。
言葉づかいも、これまでの職場で受けていた言葉遣いや
ボランティア団体で受けていた言葉遣いとは
全く違います。
上から目線でのものの言いように聞こえたかもしれません。

自分のこれまでのキャリアが、すべて否定された感覚を持ったかもしれません。
家族に対する思いも否定されて、
暴力で人を支配しようとする人間として扱われると感じたかもしれません。

理不尽な妻や子と裁判所が一体となって
自分の全人格を否定しにかかっている
そういう感覚を受ける男性は多くいます。

これまでの自分の人生、
妻子のために給料をすべて渡して、
感謝されることだけを心の支えにして生きていた人生、
誰からも後ろ指を指されないで、
それ相応に尊敬もされ、尊重されていたキャリア
それが一気に否定された感覚を受けたかもしれません。

それも、理由を認識したうえで評価されたならいざしらず
お前は黙っていろと言われて、無理やり黙らされて
お前は悪だと決めつけられるわけです。
それは、出席していながら欠席裁判を受けるようなものでしょう。

しかも、強制執行がなされると、
自分を守る方法がないわけです。

きちんと裁判の対応をしなければ
長年連れ添った夫婦であれば、
1千万円単位の慰謝料が認容されることも
実際にあります。
高裁で10分の1以下に減額された事案もあります。

1500万円が認容されて差し押さえられることも
実際にあるわけです。

裁判は確定してしまえば、争う方法はありません。
家や車が惜しくて爆発させたわけではないと思います。
理不尽だと思う結果を受け入れられなかったのだと思います。

家や車の延長線上に
自分という人格の器があったのでしょう。

今回の自死は、周りを巻き込んだもので
正当化の要素はありません。
住民を不安に陥れた罪も大きいと思います。
許されることではありません。

ただ、今回のケースは、爆発という要素を除けば
初めてのことではありません。
周りを巻き込んだ焼身自殺のケースもありました。
自分の人格を否定されたという、子どもから引き離された事案です。

周りを巻き込まなくても
静かに死んでいった男たちも
あまりにも多すぎる状態です。

せめて、有効な反論の機会、
妻子の心情の正確な伝達と
納得行く説明の機会を確保してほしいと思います。

被害に遭われた方々には申し訳ないのですが、
むしろ再びみたび被害者を出さないためにも、
人格否定の結果を招く制度を見直すことこそが急務だと思います。

彼が特殊で、突出した人物ではなかったと
私は思っています。






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斉藤ママ

妻がカルトに借金して、夫が返済する、というパターンだと思います。
カルトは世間知らずの妻をそそのかします。
by 斉藤ママ (2016-10-25 16:39) 

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冤罪だという証拠はなく、統合失調と思われる本人のブログだけです
DVには客観的証拠があります
http://anond.hatelabo.jp/touch/20161025032408
by お名前(必須) (2016-10-26 01:01) 

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