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なぜあの人は、人の話をろくに聞かないくせに、都合の悪いことを言うとこちらが怒鳴ったと抗議するのか。もしかしたら感覚過敏かもしれない。「自閉症の世界」感想文4 with NHKスペシャル「発達障害」 [家事]


私が「自閉症の世界」を読んでいる時、
都合良くNHKスペシャルで、
「発達障害 ~解明される未知の世界~」
という番組を放送していました。

あの竜頭蛇尾に終わった産後クライシスの時の
二人の司会ということでちょっと心配したのですが、
(なぜそんなことを言うかについては
 「もっとまじめに考えなければならない産後クライシス 産後に見られる逆上、人格の変貌について」 http://doihouritu.blog.so-net.ne.jp/2015-10-12

とても興味深く、見ごたえのある番組でした。

ただ、自閉症については
やや感覚過敏に偏っているかなと思いつつ、
その分十分なプレゼンがなされていてよかったかもしれません。

ここで聴覚過敏ということについて
大変興味深い映像と音声の説明がありました。

自閉症の人の音声の感じ方ということなのですが、
これは番組を観ていただくしかないのですが、
(なんとかというNHKの見逃しチャンネルとか。
 この週は翌日のクローズアップ現代も、
 引きこもりの自立ビジネスの弊害を取り上げており
 お金を払う価値があるかもしれません。)

いわゆる普通の人は、
自分に必要な音と不要な音を無意識に区別して、
不要な音を聞かないというか、
意識の外に放り投げることをしているというか、
音がしないものとして扱っている
ということらしいのです。

この前書いた大雑把に受け止めるという力技を使えるのです。

ところが自閉症の人は、このように大雑把になれず
聞こえる音のすべてを聞いてしまう
ということらしいのです。

だからスーパーマーケットで買い物をすると
パチンコ屋のじゃらじゃらした音の洪水の中にいるような
いたたまれなさを感じているみたいです。
(パチンコをしている人は、あまり気にならない)

だから、話し相手の声だけに集中することができない理由があるそうです。
例えば喫茶店で1対1で話していても、
その人の声とほかの人の声や車の音やエアコンの音、調理の音、サーブの時の音
等が平等に聞こえてくるために、
その人の声がよく聞き取れないということになるようです。

ただ、私は、結局、人によって、音の聞こえ方が違うのだ
と理解するべきだと感じました。

ある特定の音が苦手だということも
人によって違うようです。
例えば、私は人がかけている掃除機の音が苦手です。
できるなら別室に行くか外に出たくなります。
でも、自分で掃除機をかける時は、
それほど嫌な感じはしません。

もしかしたら、人によって、
台所の水仕事の音が嫌だったり、
ガスコンロの音が怖かったりするのではないかと
番組を観ながら思うようになりました。

あるいは食器のぶつかる音とか扇風機の音が
どうしても気になってしまい、
こちらの話す声が聞こえないということもありそうです。

こちらの感覚からすると
「こちらの声が相手に聞こえないはずがない」
と思うわけですが、
案外、相手にとっては
意味を持った言葉としては聞こえていない
ということがありそうです。

それから、夫婦問題で、妻側から
「夫がよく私のことを怒鳴る」という訴えが出されます。
普段の限定された私と夫との付き合いからは
直ぐに信じられないほど、穏やかな話し方をする人もいます。
(但し、地声の大きい人も確かにいます。)

一つには、実際に妻の前だけ人格が変わる人もいるかもしれませんが、
もしかしたら、妻の方が、夫の声に過敏に反応している
という可能性がありそうなのです。

特に、時々自分の問いかけに応えないので、
「ことによると耳が遠いのではないか」と誤解していたりすると、
大事な時には、しっかりはっきり発声してしまい、
ついつい、大きな声を出しているのかもしれません。
それから、夫側が真剣な表情をして声を出しているわけですから、
ついつい怒鳴り顔になっていることも考えられます。

そうすると大きな声は出しているし
真面目顔で口を大きく開けていることから
にくにくしげにこちらに向かって
叫んでいるように受け止める可能性はあるでしょうね。

もちろん、そうなってしまうと、
恐怖感情などが出てきますから、
言葉の意味を正確に認識することも
難しくなることでしょう。
脳が勝手に「話を聞くより逃げろ」
と指令を出している可能性があります。

妻が、顔をしかめて
「夫から、がーって怒鳴られた」
と「感じていること」は、案外真実なのかもしれません。

ここで、
「自分が怒鳴っていないから、
 行動を修正する必要はない」
ということを主張してしまっている場合があります。
ついついそう考えてしまうというか。

ここで、
「ああ、ちょっとかわいそうなことをしたな。」
という意識があれば、
100%うまくいくわけではないけれど、

50%くらい意識的に穏やかに話すことに勤めることで、

妻側も
「ああ、怒って言っているわけではないのかもしれない」
と気が付くきっかけになればハッピーになる可能性が
あるのかもしれません。

「怒鳴っていない」と怒鳴るよりも(これはどうしても怒鳴る)
「怒鳴っているように聞こえるんだぁ」
と驚いて見せることが有効かもしれません。

自閉症の世界を
自閉症の人たちだけの世界ではなく、
いわゆる普通の人たちも
少しずつ共有していると考えれば、

もっとエレガントな世の中にするための
豊富なヒントがあるように思えてきました。

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