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甲状腺ノート(非医療関係者)を作成したいきさつ [進化心理学、生理学、対人関係学]

このブログにコメントをいただき、Ridha Alem医師の[The thyroid solution]という本に、甲状腺の問題が実生活の人間関係にどのような影響を与えるか詳細にリアルに書いてあると紹介してもらいました。但し、英語の本はいろいろ意味で時間がかかりすぎるし、正確にはわからないので、田尻クリニック様のホームページhttps://www.j-tajiri.or.jp/ に掲載されている「書籍の翻訳」の中の「甲状腺の悩みに答える本」に翻訳があるということで、それを読ませていただきました。それにしてもお忙しい中、本当に頭が下がる活動をされているようで、こんなに素晴らしい活動をされるお医者様が日本にいらっしゃるということで、感動をいたしました。謹んで御礼申し上げます。

弁護士というか対人関係の紛争のヒントとして最も重要なのは第9章です。この章のノートについては、別記事として紹介します。
本は、全21章にのぼります。私は治療者ではないので、治療者向けのところは大胆に省略しています。
本の構成は、まず、甲状腺ホルモンバランスの乱れは、さまざまな身体、精神症状を引き起こす。しかし、甲状腺ホルモンの乱れは見過ごされてしまい、患者の症状は回復しない。だからもっと甲状腺ホルモンのトレーニングを医師は受けるべきだというところから始まります。そして、まず、ストレスという側面から甲状腺ホルモンバランスの乱れを、生理学的に解き明かしています(これは過労死のメカニズムと重なるところがあって、私としては大変興味深い章でした)。この同じ章に出産のストレスも記載されています。本当に出産は、いろいろな意味で命懸けだということを改めて思い知らされました。そして、甲状腺機能低下症と、甲状腺機能亢進症の説明があり、うつのメカニズムとうつ、パニック障害、不安障害、PTSDとの関係が述べられます。そして、甲状腺ホルモンバランスは、いろいろな症状に薬として使用されていることの説明が続きます。この辺りまでが第1部でしょうか。
 それに続いて、甲状腺ホルモンバランスとの関係で、食事をすること、性に関すること、そして性以外の夫婦関係が第9章。続いて合併症の問題、月経前症候群、流産と不妊、産後うつ、そして、治療の問題、甲状腺がんの問題などが続いてゆきます。

ケースの紹介をして、医学的にはこういう言葉で説明するけど、実際はこういうことだということがわかりやすく説明されていることが多いのが理解を助けられます。ああ、こういう人実際の事件に出てきたと思う場面がとにかく多くあります。特に9章は、医学的知識は不要でしょう。
よくここまで、お医者さんがわかっているなあと感心することが多いです。単に生理的な症状を患者から聞くのではなく、人間関係についてまで聞いているということになるので、一人一人に時間をとって診察されているのでしょうね。最近、丁寧にということは、時間をかけてということと同じように感じる場面が多くあります。例えば字を書くときとかですね。この文章を書く場合も同じなのですが、なかなかできることではありません。

離婚事件を担当していると、主に妻の側に甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症という診断を受けているケースをよく目にするのです。弁護士なんて意識をしなければそんなことあまり離婚と関係ないだろうと思うところだと思います。最初の事件が強烈だったということがあり、「あれ、またでてきた」と、次の事件でも印象に残っていったのでしょう。おそらく、この疾患に興味を持ったのは偶然でしょう。興味を持って調べても、なかなか精神症状について詳しく書いてある本は少なく、あったとしても専門医の症例報告か、ごくごく簡単に精神症状が書かれているだけでした。ところがこの本は、その精神症状が、実際の生活ではどのように表れるのか、それによって人間関係においてどんな悪循環を引き起こすのかということをこれまでかと書いてあるのがこの本の特徴です。

このノートをアップすることの一番の心配事は、甲状腺の障害の偏見を招くのではないかというところにありました。でも、筆者は、患者さんは、どうしてこういう不具合が発生しているか原因がわからないことが苦しいというのです。原因がわかることで、患者も配偶者たちも、自分が悪いから、自分が嫌われているからこういうことを感じるのではないということがわかりホッとするそうです。原因がわかれば対処もできるし、病気が治りきらなくても幸せになる、そういうメッセージを感じ取りました。
また、私の伯母も甲状腺の治療を受けていましたが、穏やかな人で、高齢になっても働いて、職場でも調和を保っていた人ですから、本当に精神症状は必ずしも発生するわけでもないし、伯母の妹たちも甲状腺の治療を受けていた人は聞いたことがありません。このことは強調しなくてはならないところですね。

この点で思うのは、本当は甲状腺ホルモンバランスの乱れが原因で、その症状で苦しみ、人間関係を悪くしてさらに苦しんでいる人たちに対して、その原因をまじめに追及することをしない人たちがいるということです。医師ではなく、行政やNPOの人たちです。
離婚事件の背景には甲状腺ホルモンバランスの乱れ以外にも様々な身体疾患、精神疾患が存在しています。もしかしたら本当は甲状腺ホルモンバランスの乱れが原因かもしれませんが、診断名としてはうつ、産後うつ、パニック障害、不安障害、統合失調症などです。これらすべてのケースで、夫婦の人間関係の相談を妻がすると、行政(警察を含む)やNPOの相談担当者は、それは夫のDVです。モラハラです。と宣告し、子どもと妻を夫から引き離し、所在を隠すということをやらせているのです。
そういうマニュアルがあるようです。妻が不安そうにしているとか焦燥感を持っているならば、すべて夫のDVがあって、それが原因だとしてしまうのです。もしかしたら、本当は妻にとって必要なことは治療なのかもしれないのにです。その結果、妻は、正当な治療を受けられず、せいぜい対症療法を受けるだけです。大事な家族が分離され、子どもたちは自分の血の分けた父親を攻撃されることに慣れてしまう過程で自尊心が低下し、妻も何年たっても症状が軽くなりません。ここまでは、作者はあまり触れてはいません。日本の事情ですから当然でしょう。でも、なぜ大切な人を攻撃したり、攻撃されていると思い込むかについては第9章にきっちりと説明がなされています。第2章にも触れられています。私が作った「思い込みDV」という概念が医学的に裏付けられていて感動しました。
夫婦問題に関与する可能性がある人は、一度はこの本を読むべきだと思います。
これが私がノートを公開する理由です。



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ピーマンパパ

つながった、という想いで胸が熱くなりました。まだ理解が至らない章もありますが、何回でも読んで理解に努めております。

当の妻、子や周囲で心配してくれる人たち、いつか「あんな事もあったね。」と昔ばなしに出来ますように。

P.S.ドイホー様、不可解な夫婦案件、確か平成20年過ぎから増えてきた、とどこかに書いておられましたね。原発事故との関連は考えられますでしょうか。
by ピーマンパパ (2020-02-03 20:59) 

ドイホー

むしろこちらこそご紹介いただいてありがとうございました。感謝感謝です。平成20年代に面会交流事件が増えています。「危険なのは面会交流ではなく、別居、離婚の仕方 先ず相互理解を試みることが円満離婚の早道」https://doihouritu.blog.ss-blog.jp/2017-05-11で書いたのですが、面会交流調停の申立件数は、配偶者暴力センターの相談数の10分の1とほぼ一致します。私は、これに平成22年からNPOも相談を受けるようになったので増えたと考えていました。しかし、グラフをよく見ると、確かに平成23年から件数の伸びが増えているのですよね。その件に関しては、被災地、放射能の汚染地とそこで離婚申立件数や面会交流調停申し立て件数がどうなっているか、他の地域と違うのかということである程度推測がつくかもしれません。ちょっとビビりの私はもう少し確証を得てからコメントしようと考えていました。
by ドイホー (2020-02-07 17:05) 

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