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ラスコー洞窟の謎を解く。対人関係学の挑戦。 [故事、ことわざ、熟語対人関係学]

壁画で有名なラスコー洞窟はフランスにある。
洞窟と言っても、かなり長細い。
200mを超える長さで、
枝分かれをしている。
この洞窟の壁に動物や人間の絵が描かれている。

約2万年前にかかれたその壁画は
ゆたかな色彩が施されており、
動物たちの形はリアルであり、生き生きとしている。

ラスコー.jpg


このラスコー洞窟の壁画にはいくつかの謎があるという。
一つは、洞窟の中に武器と思われる道具が
かなりの量、残されていたこと。

二つは、この洞窟の一番奥深い所、
井戸の空間と呼ばれるところの絵が何を意味しているのか
ということ
井戸の写真.jpg

三つ目は、そもそもなぜこの洞窟に
これだけの絵が描かれたのか
ということだそうだ。

前提として、
この洞窟は、居住用ではないことである。
どうやら人類は洞窟に居住していたというわけではなく、
外で、竪穴式住居に居住していたらしい。

このため、他の洞窟でも武器や道具が
洞窟内におかれていたということはなかったらしい。
このために、第1の疑問が起きる。

ヒントとしては、この時期、文字は存在しない。
言葉があったどうか、どのような言葉あったか
私はわからないが、
文字がないということから、
それほど複雑な言葉自体がなかったのではないかと考える。

ただ、文字の出発ともいうべき
数字というか、数を表す絵文字らしきものが
あったようだ。

そこまで言えば、私が何を言いたいか
おおよそ見当をつけた人もいることと思われる。

そう!

ラスコー洞窟の絵は、
言葉の代わりに描かれたと私は考える。

今でも土木建築の設計図は、
言葉ではなく絵で表現される。
言葉をどんなに厳密に使っても
実際に絵で描かれた図面を見る方が
簡便かつ正確である。

先ず、おびただしい動物の絵の意味は
絵画とか芸術というわけではなく
きわめて実用的なものだったと考える。

おそらく、
集団的な狩りをする場合に
狩りの方法について打ち合わせをするために
描かれたものだと考える。

バッファローやマンモスの
どこを狙ってどのような攻撃をすれば
しとめることができるのか
それを壁に描いて、
情報を共有することが目的だったと思われる。

そのため、できるだけリアルに
動物の構造を描く必要があった。
色の違いなども
どうしても必要な情報内容だったと思われる。

このために、できるだけリアルに彩色するために
顔料を開発していったのだと思う。

これが第三の謎の答えだと思う。

では、言葉のない時代に
どのようにして、狩りの打ち合わせをしたのか。
それが第一の答えになる。

つまり、実際に武器を手にして
壁画の絵に向かって攻撃をしたのだと思う。
バッファローの腹に矢を突き立てたりしたのだろう。
これならば、言葉が通じなくても
狩りの初心者が何をすればよいか
一目瞭然であるし、
攻撃の際に大いに役に立ったはずだ。

だから、洞窟に武器が持ち込まれて使われていたから
同区に武器が残されても不思議ではないということになる。

そうして、最後に乗った第二の謎
井戸の空間の絵の意味である。

井戸の写真.jpg

この絵は、右にバッファローがいる。
バッファローは左側に頭を向け、
右側に尻を向けて立っている。
右上の尻から斜め左下にやりが付き抜かれており、
腹からは腸がはみ出している。

バファローの左側には
頭が鳥で、その下が人間の体のものが
倒れている。

私は、これは警告だと思う。

人間であれば、はらわたが出た段階で
もはや戦闘不能である。
ところがバファローは、
はらわたが出た直後は戦闘能力が残されている。
うかつに近づくとこちらの命が失われる。

はらわたが出た段階でバファローはやがて死ぬ
焦って近づかないで、
弱り切ってから近づかなければならない。
私にはそのようなメッセージが聞こえてくるような気がする。

鳥の頭は死者を表している。

少なくともこの絵を見た者はバファローにやりを命中させて
はらわたが出たとしても
近寄ろうとはしなくなるだろう。

言葉は、記憶を補うものである。
自分が体験しない出来事でも
言葉で注意を喚起することができる。
言葉を通じて他者の心情に
共鳴、共感することができる。

この言葉のない時代に、
絵を通じて、
危険を教え、えさの獲得方法を教える
そんなことが洞窟で繰り広げられていたのではないか。

絵の達人たちが
命がけで描いていたものだと
私はそう考える。
やがて、文字ができる
その始まりでもあると思い描いている。


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