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過労死なんて他人事(ひとごと)だと思いたかった。過労死啓発シンポジウム仙台 [労災事件]

11月に過労死防止対策推進シンポジウムが
厚生労働省主催で全国各地で行われます。

仙台では、
11月12日 18時半から20時半
三越定禅通館(旧141)6階
スタジオホールで開催されます。

過労死遺族の会が共催の形になり
企画内容や出演者を決めるようになっています。

仙台では
第1部 講演
 過労死対策運動の草分け
 25年前以上前から過労死110番を実施している
 医師の広瀬敏雄先生の過労死の成り立ちについてのお話
第2部 遺族報告
 過労死遺族から、過労死を招く過重労働と残された家族についてのご報告
  合わせて、過労死、過労自死遺族の会の東北希望の会のあゆみ

第3部そしてそしてさぷらいず
「遠野物語」の歌や、「人の森を旅する」のラジオパーソナリティーの
あんべ光俊さんから歌とメッセージをプレゼントしていただける
という盛りだくさんの内容になっています。

一つのストーリーで構成される会になっているのですが
それは当日のお愉しみとさせてください。

こういうことを
遺族や過労で闘病生活を送っている方の家族という
当事者の方が中心に話し合うのです。
弁護士である私、社会保険労務士の先生(女性)
遺族の友人の3名がこの日はサポートとして
会議に参加していました。

当事者の中には、ホームページを見て
電車で数時間かけてきてくださっている方もいらっしゃいます。
高速バスで支援に来てくださる方もいらっしゃいます。

当事者の居場所を作るということが第一の目的なのですが
どうやら理想に近づきつつあるようです。

シンポジウムの表題が
過労死防止対策推進シンポジウムなので、
これをみて、わざわざ平日の夜に足を運ぶという人は
いないのではないかという心配が起きました。
何か、人の関心を引く
サブタイトルを作ろうということになりました。

当事者の方々は
口裏を合わせたわけでもないのに、異口同音に
自分と同じ苦しみをこれ以上多くの人に
感じさせたくない
とおっしゃります。

これはいつも感心してしまいます。
だから、啓発活動に
熱心に取り組むのだそうです。
シンポジウムにも
できるだけ多くの人に参加してほしいのです。

過労死は誰にでも起きるということを伝えたいね。
「過労死はあなたを狙っている。」というのはどうだろう。
結構和気あいあいと、静かに楽しく話は進んでいきました。
ちょうど、一息入って話が途切れたとき、
遠方から参加している当事者の方が
ぽそっとおっしゃりました。

「過労死なんてひとごとだと思っていたかった。」

ガツーンとおでこを押されたような気持ちになりました。
とっさに顔を両手で覆いました。
涙があふれてしまったからです。

私の依頼者の方が他の顔を何人も思い出してしまいました。

寮住まいの子どもを過労自死で失くされたご両親
朝は元気で家を出た夫が
翌朝くも膜下出血で亡くなっていたことを知らされた奥さん、
突然失踪し、何カ月もたって自死をしていたことを知らされた奥さん
子どもたち

みんなその人が出勤するまでは
いつもと同じ家族の日常があったのです。
私たちと同じ家族の日常が突如切り裂かれるのです。

取り返しのつかないことが
ある日突然起きるわけです。

なかったことにしたいでしょう。
いつものように、もうすぐ
「ただいま」と帰ってくるものだと
思いたいことでしょう。

当事者の壮絶な苦しみを追体験することは
とてもできることではありませんが、
その一瞬を垣間見ることができるようなサブタイトルでした。

私は、しばらく何も話すことができず
うつむいて顔を覆っていました。
恥ずかしい話です。

心配したのですが、
当事者の方々は、
気丈に、この提案を強く賛成されていました。

今回のシンポジウム、
絶対成功させたいと思いました。

******

ついでに、希望の会の例会の様子を付録でご紹介します。

その日は、10人を超える当事者、支援者が参加をしていました。
このようなきちんとした議題も話し合うのですが、

自分の生活のことを相談したり、
家族の心配事、子どものクラスのいじめや不登校の問題、
悩み事を自由に話し合います。

当事者の方々ばかりですので
安心して悩みを話すことができるようです。
いじめのことや学校のことは、
自称専門家もいますし、
給付金のことは社会保険労務士の先生もいらっしゃいます。

法律のことは弁護士がおります。

グループで話したり、みんなで話したり、
誰かがぽつんとしていると
誰かが声をかけたりして
和気あいあいとしていますが、
夫の会社の話を怒ってお話しているのを聞いたりすると
自分の家族を思い出して涙ぐむ姿も良く見られます。
安心して泣けるところなのです。

だから、電車で数時間かけていらっしゃる方や
高速バスでいらっしゃる方がおられるわけです。

どこにも行き場のない方も
まだまだいらっしゃるのではないかと心配しています。

何をしなければならないということのない集まりです。
会費もありません。
(その代わり、お茶とお菓子くらいしかでません。
 それから時々、手作りの漬物がふるまわれることはあります。)
人前で話したくなかったら話す必要もありません。
いるだけで結構なのです。
過労死、過労自死遺族の東北希望の会
例会のご案内をホームページで行っています。
http://www.karoushitouhoku.com/


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