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立憲主義が理解できないならば、中学校二年生からやり直すべきだ.文科大臣に答弁を求める。 [弁護士会 民主主義 人権]

仙台弁護士会は、安保法制反対の宣伝活動を
仙台市の繁華街で地道に行っています。
これは、安保法制それ自体が気に食わないというよりも
憲法9条と整合しない、違憲の法律を制定することを
法律家として反対しているということです。

憲法学者のほぼ100%が安保法制は違憲だからやめよと意見表明をしました。
3人の云々という話がありましたが、
少なくとも長尾先生は、ご自分の著した教科書で、
憲法9条は集団的自衛権を禁止していると書いていらっしゃいましたから、
憲法学者として、賛成しているわけではないのでしょう。
学者というなら、学説を訂正するならば、
その根拠を詳細に示すと思います。
要するになぜ変更したのかということですね。
それをしないで、憲法学者として賛成だということは、
自己の職業、立場を否定するものなので善解しておきます。

さて、今、中学生は、学年最初の中間試験の準備に追われています。
2年生の歴史では、江戸時代あたりが試験範囲になるのだろうと思いますが、
教科書では、18世紀の西洋の動きも一単元になっています。

そこでは、産業革命を経て市民が台頭をし、
それまでの専制君主制を市民革命によって打ち破り、
市民の権利を獲得し、
イギリス権利の章典、アメリカの独立宣言
フランスの人権宣言などが生まれた
ということが書かれています。

立憲制が生まれたことが教科書に書いているわけです。

立憲制とは、このように
市民の権利を守るために、憲法などを制定して
国家権力を制限するものであり、
この憲法(Constitution Law)に
権力は従わなければならないということを意味します。

「私はそういう立憲主義をとらない」
という政治家がいたそうですが、
立憲主義の概念は世界共通です。

中学2年生がもう少し勉強を進めると
日本の産業革命以降の話が出てくるのですが、
ここでは、
ウ 自由民権運動,大日本帝国憲法の制定,日清(にっしん)・日露戦争,条約改正などを通して,立憲制の国家が成立して議会政治が始まるとともに,我が国の国際的地位が向上したことを理解させる。
と学習指導要領でうたっているところであります。

立憲制の国家を、明治政府が目指したのは、
まさに欧米列強と互角に接するために、
日本の国家の体を作らんとしていたからであります。

文部科学省の解説ではこう書いてあります
ウ ウの「日清・日露戦争」については,このころの大陸との関係に着目させ
ること 「条約改正」については,欧米諸国と対等の外交関係を樹立するた 。
めの人々の努力に気付かせるようにすること 「立憲制の国家が成立して議
会政治が始まる」については,その歴史上の意義や現代の政治とのつながり
に気付かせるようにすること

この中項目のねらいは,立憲制の国家が成立して議会政治が始まるとともに,我が
国の国際的地位が向上したことをりかいさせること

世界の立憲主義の始まりと
日本における立憲主義の位置づけは
中学校2年生で習うのです。

公民はそのあとでしょうか

ア 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則
 人間の尊重についての考え方を,基本的人権を中心に深めさせ,法の意義を理解させるとともに,民主的な社会生活を営むためには,法に基づく政治が大切であることを理解させ,我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの意義について考えさせる。また,日本国憲法が基本的人権の尊重,国民主権及び平和主義を基本的原則としていることについての理解を深め,日本国及び日本国民統合の象徴としての天皇の地位と天皇の国事に関する行為について理解させる

と書いてい在ります。

そこで、私が国会議員なら下村文部科学大臣に尋ねたい。

もし、中学2年生が、これから始まる中間テストで、
「18世紀、市民革命によって、権利の章典や人権宣言がうまれたが、
これによって、市民は、国家権力を制限することによって、
自分たちの活動の自由を勝ち取った。」
という記述が正しいか誤りかという問題が出たら、
正しいと回答してよろしいのかということ。

公民のテストで、
「日本は、立憲制度を取っていて、
立法、行政、司法は、
憲法に基づいて行われる。」
正しいでしょうか、間違いでしょうか。

「日本は立憲制度を取っているが、
 憲法は、法律に適合させるから、
 字面にこだわる必要はない。」
正しいでしょうか、間違いでしょうか。

「憲法との整合性を気にしないで、
 時々の世界情勢に合わせて、
 選挙で先取された国会議員が
 自由に立法することは許される」
正しいというのでしょうか。

「憲法に反する法律を作っても、
 それは、世界中からの信用を低下させることにはつながらない」
とするならば、
明治政府が、血のにじむような苦労をして
憲法を作ったことは、
全く持って無駄なことだったのでしょうか。

今の政権は弁護士出身が多いし、法学部出身が多い。
ろくに勉強をしてこなかったことは良いとして、
そういう高度な問題ではなく、
立憲主義は、中学校レベルの問題なのです。

優秀な高校生から、
少し、歴史と公民のレクチャーを受けたほうが良いのではないでしょうか。

憲法学者の佐藤幸治先生は
安保法制の動きに対して
「いつまでぐだぐだ言っているんだ。」
と言ったかのように報道されています。

そんな憲法学者が出てくるほどの問題ではなく、
中学の社会の先生で足りるほどお粗末な話なのです。

高校入試に確実に落ちるような答弁を
国会で繰り返すことは教育上よろしくない。

わたしなら、
「なんぼなんでもだめだろう。」
というべきだと思います。
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