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離婚調停の在り方は国民的議論が必要だと思う。人生を「事務処理」されてしまわないために。 [家事]

そのお父さんは、
二日に一度は午前0時まで残業するハードワークで、
それでも、家族のため、子どものため頑張っていました。
(誰が自分のために残業しますか)

ある日、職場から帰ったところ、
家の中が、すかすかでした。
誰もいないし、テレビやたんすなどの家具もなくなっていました。

これはどうしたことかと思い、疲れ切ってはいましたが、
妻の実家に1時間くらいかけて運転していってみました。
そうしたところ、警察官が大勢押し寄せてきて
警察署に任意同行を求められました。
「もう二度と暴力はふるいません」
という念書を書けというのです。

このお父さんは暴力はふるっていません。
私が警察に確認しても、暴力の訴えはありませんでしたし、
後の離婚調停の離婚の原因にも
「暴力」はありませんでした。

何がどうなったのかわからないまま
呆然と日々を過ごしていると、
相手方代理人から離婚調停の代理人になったから
妻とは連絡を取るなという通知が来ました。

そして、調停の期日になりました。
調停申立書には、
離婚したい理由が詳しくは書いてありません。
まずは、話を聞こうじゃないかということで
調停に臨みました。

先ず、申立人妻が30分調停委員に話をしたようです。
ようやく部屋に入って座ったか座らないかした時、
調停委員から、
「奥さんは、早期に離婚をしたいそうです。
 あなたは離婚についてどのように考えていますか。」
と尋ねられました。

夫は、経緯を説明してから
そういう事情なので、わけがわからない
今離婚といわれても当惑する
と素直に答えました。

調停委員は
「それでは離婚については反対するということですね。」
と念押しされそうになりました。

「反対も何も、事情を聞かせられないで
 結論だけ求められても困る。
 離婚理由をまず聞いて検討する。」
と頑張りました。

夫側は、このまま離婚については反対だというと
「それでは、調停を終了して裁判にしましょう。」
といわれるのではないかと思い、恐ろしくなりました。

日本の制度では、離婚の裁判をするためには、
先に調停をしなければならないことになっています(調停前置主義)
人生の一大事ですから、慎重に話し合いをして
それでも当事者の意見が会わないときに
裁判官に決定してもらうという目的があるからです。

これだけで調停が終わりになるなんて、
調停前置主義の目的はとても達せられません。

その他もいろいろと話し合いを希望しても
話し合いを取り次いでさえもらっているのか
心配になってきます。

ようやく、相手方の離婚理由が示されたのは
さらに30分が経過してからでした。
「後で読んでいてください」
というメモみたいな紙2枚と
子どもに書かせた手紙のようなものでした。

さも、これが事実だろうというような態度に
夫側は感じられました。
子どもに父親の悪口を言わせていることに
調停委員は何も抵抗が無いようでした。
これは、明らかな片親疎外です。
離婚のために、子どもを利用しようとするもので、
子どもの健全な発達を妨げます。

自分が悪口を書いた相手は
血を分けた自分の父親だからです。
しかも、かなり嘘が混じっていました。

このような一方的な理由で
離婚に応じるか否かといわれても
戸惑うだけ、あるいは憤るだけです。

私は、
離婚という結論が動かなくても、
お互いに腹を割って、
どうして離婚になったのか、
もつれた糸の所在をはっきりさせることが
お互いの将来にとって良いと思います。
離婚調停を円満に解決するコツは、
相手の言い分、その時の気持ちは理解しても
「それでも一緒にやっていけない」
ということを理解してもらうことです。

お互いのことを思いやることが
実は離婚の近道、王道なのです。

離婚を言いだす方も
妄想というほどではなくとも
自分に自信が無くなって、
相手から離婚を言いだされそうになる苦しさから逃れるために、
自分から離婚を言いだすということが、案外多いです。

もつれた糸をほぐさないまでも見つけることは
自信を失いすぎることから守ってくれます。
相手に対する憎しみを軽減することで、
子どもの別居親との面会交流にも役に立士ます。

それが、離婚、イエスオアノー?
金額はどうする?
だけ決めてハイ一兆上がりという態度をとられると
「自分が、人間として尊重されていない」
という気持ちになってしまいます。

人によっては、絶望したり、委縮して
もう何も話せないで言いなり状態になり、
人によっては逆上して、暴れる人も
それはいるでしょう。

「お前は、人間として、夫として、父親として
 失格だから早く離婚しろ」
と言われていることと等しいのです。

この点を裁判所は理解していません。
夫が暴れるのは、
別々に部屋に入って話し合うから
相手に向かう怒りが裁判所に向かうのだろう
と思っているようです。
だから、同室で話し合う
なんてことを言いだしています。

この事件は、妻も暴力があるとは主張していない事件ですから
まだよかったのですが、
暴力が無くても、暴力があると主張されると
一方的に暴力夫ということになり、
特別警備が敷かれることもあります。

ますます、夫は追い詰められていきます。

ずいぶん学習している調停委員は、
夫の言い分を、言い訳、ごまかしと受け止めて、
冷たい目をしたり、ぶっきらぼうに扱ったりする
そういう感覚を夫が受けることが少なくありません。


ここまでいうと、
それは加害者側の主張だろうと
被害者女性は早く離婚したいのだから
話し合いは無駄だと
そう考える人もいるかもしれません。

ところが、
私は、被害者側も代理人になるのですが、
離婚と金額だけが決まり
あっという間に調停が成立した事案で、
むしろ被害者側も
自分が尊重されていないという感覚を
強くもって、
調停に失望したという経験があります。

被害者側も、実は、
きちんと結婚について話し合いたかった
自分の気持ちを理解してほしかったということが
あるようです。

確かにケースバイケースかもしれませんが。

調停や裁判は、国民に対する国家のサービスです。
ユーザーである国民が、
自分が利用するかもしれないサービスの形を
デザインするべきです。

こういう、自分の人生、子どもの人生が
事務処理されているような感覚の制度でよいのか
議論が必要だと思うのです。

もしかしたら、
離婚調停や裁判に、期待を持ちすぎているのかもしれません。
現実には、そんな話し合いは
訓練されていない調停委員が取り仕切るのは無理だ
と言われてしまうかもしれません。

じゃあ、じゃあ
裁判所に代わるシステムを国民が作るべきです。

家事調整センター企画書
http://www001.upp.so-net.ne.jp/taijinkankei/kajityousei.html



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