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思い込みDV  ホームページリニューアル原稿シリーズ [家事]


1 概念
2 二つの原因
3 子連れ別居等の問題等思い込みDVによる問題行動
4 対策

1 概念
  「思い込みDV」とは主として妻が夫に対して、本当はDVが無いのにDVがあると思い込み、夫が自分に対して攻撃的だとか、嫌っているとか、低い評価をしているという強固な被害意識を抱いてしまうこと。妻は夫に本当に強い恐怖感情や嫌悪感、拒否感情を抱いている。自分の不貞を成就するためや使い込み等の露呈を防ぐことを目的とした「でっちあげDV」とは区別される。しかし、境界があいまいな場合も少なくない。

2 二つの原因 生物学的要因と第三者の吹込み
  第1の「生物学的原因」とは、出産によるホルモンバランスの変化、内分泌系の疾患、精神疾患が多く、薬の副作用や頭部外傷、傷害なども原因となる。パワハラ、セクハラ、クレーム対応など職場でのストレスも影響となる可能性もある。それぞれの事情によって機序は微妙に異なるが、理由もなく不安が生じてしまい、夫との関係に安心感を持てなくなるという特徴がある。過去の安心の記憶(家族旅行や団欒の楽しかった記憶)も失われてしまい、あらゆることを被害的に受け止め直してしまい、夫と一緒にいることに不安や焦燥感を感じてしまう。また、自分だけが損をしているという感覚が生まれていることも多い。

  第2の「第三者の吹込み」は、男女参画系の行政組織(警察、配偶者暴力相談センター等)や妻の実家、友人、精神科以外の医師等から行われることが多い。生物学的要因から被害的な意識になっている妻の感情を無責任に肯定された上、その不安や焦燥感の原因を夫の行動が原因であると指摘される。夫と一緒にいることが危険であり、離婚をすることを勧められる。離婚調停等において、妻が夫のDVによる離婚を主張する際、これ等の第三者から「それは夫のDVだと言われた」と報告するので家庭裁判所では第三者の存在が知られることになる。第三者の吹込みによって妻の不安解消要求はさらに高まり、不安解消のためというのであれば、希望の光が差し込んだように、夫が原因であるということに飛びついてしまう。

  「思い込みDV」の背景としては、妻が夫に対して強い期待を抱いている場合がみられる。夫に自分の不安を解決してほしいという強い期待がある場合や、夫から別離を切り出されることの被害妄想的な不安がある場合が少なくない。

3 子連れ別居等の思い込みDVによる問題行動
  思い込みDVと行政が結び付いた場合、妻は子どもを連れて家を出て行方をくらますか、実家での生活を始める。妻の避難先のシェルターでは、保護命令の申立用紙一式が準備され、保護命令を申し立てるよう働きかけることがある。さらには、法テラスを使って離婚調停を申し立てることがシェルター利用の条件のように言われる場合がある。さらには、元々の生物学的要因から精神的に不安定になっていることも多いためか、精神科の受診を強く求められて薬の服用を義務付けされることもある。

  行政や裁判所までも、「夫からDVを受けていなければ妻がこのような行動をするはずが無い」という単純な思い込みから、無意識に夫のDVの存在を前提とした行動をとることが少なくない。

  思い込みDVの元となる生物学的要因が放置されることになるので、家族再生には困難が伴うことが多く、面会交流についても強固に拒否をすることが少なくない。

4 対策
  対策の第一歩が夫の意識改革である。それが思い込みDVであって、妻の人格の問題ではなく、妻の夫に対する悪意を持った攻撃ではないということを理解しなければならない。ただ、頭で理解をしても感情が追い付かないことがむしろ当然であるかもしれない。

  思い込みDVの根本には、理由のない漠然とした不安がある。妻の安心感を取り戻すべく働きかけることが王道である。

  妻が子どもを連れて夫の元に戻った例を見ると、妻の生物学的要因が自然経過で解決したこと(産後うつの症状は出産後2年程度で収まることが多いとのこと)、夫が妻の不安の解消に徹したこと、妻が自分の支援者に対しての疑問が強くなった等の要因があった。
  また、別居後、離婚後の妻の支援者が、夫に対して公平な見方を示す場合、妻の嫌悪感や恐怖感が著しく減少し、必要以上の警戒感が解かれ、面会交流の自由度が拡大することが確認されている。

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