SSブログ

面会交流の場面で別居親の方にお願いすること [家事]

面会交流の実施や充実は、
すべてお子さんの健全な成長のためです。

その時によっては、お子さんがつまらなそうにしていたり、
退屈そうにしていたりするでしょう。それでも
お子さんのそういう態度もこちらが受容していることを示すこと、
お子さんが無条件に、自分が親の子どもという存在自体によって大切にされる
という経験を記憶することは
お子さんの健全な成長に有益であることは間違いありません。


それでは、どうやって、お子さんが、
自分が大切にされている、
しかも無条件に存在自体によって
ということになるか、
実務上の経験を踏まえてお話しします。


先ず、お子さんの置かれている状況を把握することが必要です。
現代の子どもたちは、
自分が尊重されるためには
条件を満たさなければならないかのような
そういう扱いを受けています。

テストで満点をとらなければ叱責されたり、
学校で一番になっても都道府県の
順位や偏差値を気にされたり
スポーツもただ楽しむことが許されず、
大会入賞やスポーツ推薦をしなければならない
というように、
大切にされるハードルが高く、
きりがない状態になっていることがあります。

これは現代的な風潮である場合も多いです。
同居親が不安になりやすい人だということもあるし、
同居親が別居親に認めてもらいたくて
子どもに頑張らせるという場合もあります。

どうか、別居している親御さんだけは、
お子さんを無条件に大切にしていただきたいし、
それを何らかの形で伝えてほしいのです。

これは、昔は祖父母の役割でしたが、
一緒に生活することが少ない現代社会では
自分が孫であるだけで尊重されるという日常を
体験することができなくなります。

また、祖父母が連れ去りに関与していると
当事者化してしまうということもあります。

子どもを守る別居親としての
役割があるわけです。


それでは大切にするということは
具体的にどういうことでしょう。

それは、子どもが自分の
不十分、欠点、弱点、後ろめたさを感じていることを
責めない、むしろ許しているということが
伝わることです。

子どもの面会交流にあたっての
一番の心配事はなんでしょう。
いろいろあると思いますが、
意識しているか否かにかかわらず、
別居している親御さんと一緒に暮らしていないことが
後ろめたいということがあります。

これは、幼稚園児くらいから見られる心理です。

先ず、面会交流でやっていただきたいことは
一緒に住んでいないことを許している
ということを子どもに伝えることです。

具体的には、
(ここは抵抗が大きいことと思いますが
 我慢して読み進めてください)
子どもが別居親と一緒にいることを
褒めてあげることが一つの方法です。
感謝をするとか、
同居している親の言うことを守るんだよとか

こちら側は、同居親に対して
敵意がないということを示すことです。

そうして、会いに来てくれることを
歓迎していることを示すことです。
それでよいんです。

学校の成績については
子どもが言うまで
無理に聞き出さない方が良いでしょう。
成績表を見せられたら
先ず良いところをほめてあげてください。

根掘り葉掘り聞くことは
子どもにとって苦痛なことがあります。
何を聞いているかあまり理解できない時は
特にそうですね。

話しやすそうなことを相手の表情を見ながら選ぶわけですが、
自然と話すことが理想ですね。
給食の話からはじめて、
友達の話が出てくるようならば
必死に名前とキャラクターを覚えましょう。


同居親はどうしても、
子どもをああしたい、こうしたい
ということが先に立って指図しますが、
面会交流の時は
子どもがしたいことにつきあうということが
うまくゆくと思います。

一対一で話し合うことは
子どもにとってはとても疲れるので、
一緒に何かをやるという方が良いと思います。
だから、できれば面会場所も
スーパーのゲームセンターよりは、
科学館や天文台等の学習施設の方が
過ごしやすいということになります。


別居親にとっては、
面会交流は試験を受けているようなものです。
太らせている、やせさせている
身なりが汚い、
所作が下品だ
すべてが、自分が否定的に評価されるのではないか
という不安の種になります。

そういうことを言わないこと、
むしろ無条件に子育てを尊重していることを
示すことが安心につながります。

案外子どももそうかもしれません。

「そんなことをやっていると
 お父さんに笑われるよ」
なんてことを言っているのかもしれません。

子どもを安心させると
同居親も安心するということになるでしょう。


子どもにとって居心地が悪いということは
これまでの経験上
子どもが別居親の元に逃げた例を見ると、

別居親の悪口を言う
兄弟間で差別する
という共通点があります。

同居親に感謝していることを言うこと
同居親の良いところを言うことは
子どもは居心地が良いわけです。
子どもは、本当は離婚等しないで
そういう家庭で暮らしたいと
願っているからです。

別居はしたけれど
少しだけですが子どもの願いをかなえる方法が
あるわけです。

大事なことは心ではなく
形、言葉でよいんです。
お子さんのために我慢してくださいね。

同居親は、別居親に対して
安心できないといういわば病気を持っている
と理解したほうがわかりやすいです。

それを解決するためには、
何か接触があっても
悪いことは起きないということを
繰り返し体験して、
安心の記憶を定着させることです。

面会交流のたびに
安心の記憶を与えてあげてください。

そうして、
直接話すことが無くても
面会交流が長く、自由になれば、
お子さんの健全な成長に
ますます役に立つと思います。