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【妻にアドバイスをする前に読んでください】夫がこんなに良かれと尽くしているのにモラハラだと言われてとてつもなく妻に嫌われる理由 [家事]


こういう事件類型が立て続けに
(毎日のように)相談が舞い込み、
夫側、妻側から話を聞いているうちに
ああ、そうだったよねと改めて思い
まとめてみたくなりました。

典型例は、
夫が妻より10歳くらい年上の事例、
あるいは、
妻に弱点があったり、
失敗(破産、不貞、犯罪等)
があったりするケースです。

妻側の不満は
「夫が、自分のやることなすことに口を出す
 自分の考えは常に否定される
 自分はいつも監視されている」
というものです。

妻から話を聞くと、
夫の行動は、
母親が赤ん坊に対して世話を焼くというより、
母親の真似をしたい盛りの姉が
弟にあれこれ世話を焼く
というような感じなのです。

夫は、とても心配症であることが多いです。
(こういう人は、酒癖が悪く
 酒を飲むと被害意識《不安》が強くなり、
 攻撃的になってしまいます。
 無意識の鎧装着ですね。)

心配のあまり、つい
あれこれ口を出してしまいます。
自分の言う通りやっていれば
万事うまくいくという自信もありますし、
言っていることが間違っているとは言えないことも多いです。

夫は、妻とのかかわりの中で、
妻にとって一番良い結論に到達することに
貢献することが自分の役割だと
無意識にそう思っているようです。

ここが、男と女の違いです。

男は、一番良い結論に到達することが正義ですが、
女は、自分でものごとを解決したい
という切実な本能的要求が強くあります。

自分のコミュニティ上の問題は、
難解な問題だとしても自分で解決したい
という傾向がある人が女性には多いようです。
自分のコミュニティとは、
自分の子ども、自分の職場、自分のママ友
自分の両親、自分の友人
等との関係です。

どうしても、男は女性から相談を持ち掛けられると
良い結論をに至る方法まずアドバイスしようとしてしまいます。
水島広子先生がおっしゃるように、
それでは、女性は
「私の話をちっとも聞いてくれない。」
と不満が生まれるのです。

女性は、解決に導いてもらいたいのではなく、
苦境に共感を示してもらいたのです。
大変だねとまず一言言ってもらいたい様です。
自分が悩んでいることが
悩むべきことだということを
肯定してもらいたいのかもしれません。

「俺がついているから大丈夫」
くらいのことを言うのは良いかもしれませんし、
「こういうケースがあった」ということも良いかもしれませんが、
まず共感を示すことから始めなければいけません。

動物は自分のことを自分で決めたいという本能があり
(自分の身は自分で守りたい。守れるようにしていたい。)
人間は、仲間から尊重されて共存したいという本能があります。

あまり、あれこれ口出しをすることは、
自分のことを自分で守れなくなるかもしれない
という危機意識を発生させます。
また、悩んでいることに共感を寄せないで、
解決方法を得意気にはなすことは
悩んでいることを笑っているようなことなので、
自分は仲間として値しない劣等な人間として
扱われているという意識が生まれる危険があります。

こういうことなのです。

ましてや、妻が、過去に何らかの失敗をしたり、
夫に遠慮をするような性格や事情があると、
(夫に夫の両親より妻を選ばせたとか)
夫の話、指図を真に受けなければならないという
律儀な反応を示すことになります。

そうして、だんだんと
夫の顔色をうかがいながら生活をするようになります。
いわれなくても夫の意見を想像しながら行動をする傾向が強くなります。
そうすると、もう
自分の行動を自分で決められない
=将来何かあったとき自分で自分の身を守ることができないだろう
という不安感がむくむくと顔をもたげてくるわけです。
(もちろん無意識にです)

夫が良かれと思って妻の意見を否定するたびに
妻は、自分が仲間として尊重されない
劣等な人間として扱われている
という不安感も日増しに強くなるわけです。

時々夫が自分の行動を修正して
「全て奥様の言う通り」という態度をとれば
まあいいかとなるのですが、
子どもの前でも妻に説教をするようになると
二つの不安がピークに達します。

こういう時です。
妻が、出産と授乳で産後クライシスに陥る
妻が、甲状腺機能に異常をきたす
等の生理的変化があったり、

あなたはモラハラを受けている
夫はあなたを支配しようとしている
あなたは何も悪くない
等と言われると、

もう妻は恐怖に叩き落とされます。
夫が怖くて怖くて仕方がなくなります。
だって、夫の真意は別だけれど
(夫なりに良かれと思っていやっている)
妻にとってみれば
自分の行動が縛られている
自分には自由がない
という気持ちになっているわけです。

こうなってしまうと、
夫は、妻にとって
動物として、人間として生きる活動の
妨害者に過ぎなくなるわけです。
脳が勝手に危険だと判断して、
逃げろと指令を出してしまいます。
そうです、勉強も考察もしない
支援者の言葉と全く同じなので
「あなたは悪くない、モラハラ夫から逃げろ」
という言葉は
妻の心に響いてしまいます。

夫としては、良かれと思ってやっていることが
全て妻から毛嫌いされているし、
自分とは同じ空気もすいたくないと言われて
わけがわからなくなるわけです。

わからないでしょうね。
誰かが教えないとわかりません。
しかし、こういう夫婦のコツみたいなものを
誰も問題提起しません。
失われた時間を帰せと
誰かに向かって言いたくなります。
失敗例をたくさん扱っているから
だから、このブログを続けるわけですが。

とにかく今不具合があるなら
相手に行動の修正を求める前に
自分の行動を修正することを考えなければだめです。
正義がどこにあるかなんてことを言っていたら
一生涯、妻とは仲良くやっていけないでしょう。

相手の顔色をうかがったらどうでしょうか。
そして、相手の気持ちがわからない時は、
教えてもらう方が良いと思います。
また、1日1回は
妻の行動を肯定しましょう。
「ああ、それいいね。」の一言でも言いましょう。
(自戒の意味を込めて)
料理でも、家具でも、買い物でも
そうやって、肯定された記憶を積み重ねてもらうことです。

それにしても腹が立つのは自称支援者です。
家庭を修復するなんてことは
一ミリも考えていないのです。
夫が心配して口を出すのは
支配の意思なんだそうです。
もうお手上げです。

精神科医でも心理学者でもないくせに
妻から事情を聴いただけで
夫を精神障碍者扱いです。
自分が神様だと思っているのだろうか?

さあ、私が腹を立てているのは、
夫の立場に立ってというよりは
子どもの立場ということですし、
妻にとっても有害だからです。

ある事例では、それ以来、
奥さんは恐怖のどん底に叩き落とされました。
夫が怖くて怖くてたまらなくなりました。
夫とは普通の会話も成立しなくなり、
何か言われると、ビクンと傷口に触られたように
過敏に反応してしまい、反撃もするようになり、
ますます夫との仲が悪くなりました。
最終的にはうつ状態が激しくなり、
どうすることもできなくなり、
今にして思えば思考も正常ではなくなり、
子どもを置いて追い出されてしまいました。

怖いから逃げたのではなく
逃げ始めたから怖くなった典型例です。

「支援」のほとんどが人を不幸にしているのではないでしょうか。
何の考察も経験もなく、
また、何の権限もないくせに
他人の人生をマニュアルに当てはめて
うまくいかなければ当事者が悪い、
アドバイス通りに行動して不幸になったら、
「自分の責任ではない。」
こういう目に遭った被害をもう聞きたくないのです。

不自由や不安を抱えているときに
逃げなさいと言われると
飛びつきたくなるわけです。
自分が悪いわけではなく、相手が悪い、
そんな単純な人間関係なんて
一つもないと思いませんか。

このようなケースの夫は
やり方を知らなかっただけです。
また自分に自信がないから
妻が自分の知らない行動をすることが
自分を見限る行動だと
勝手に思えてしまうわけです。

何を言いたいのかと言えば
夫は妻と一緒にいたいというところから始まっているのです。
それがうまくいかないと感じているから
ねじくれてしまうというだけの話です。

妻の方も、
夫に感謝したり、すまないという思いがあるし、
一緒にいたいという思いがあるから
夫の顔色をうかがってしまうわけです。

要は、夫も妻も一緒にいたいという気持ちから
その方法がわからないから
変な結論に至ってしまうわけです。

一緒にいましょうよ。
一緒にいるということは
一緒にいて楽しい状態にあることです。
幸せを感じることです。

それができないのはなぜか
ということを考えましょう。
これが人間らしい考察ではないでしょうか。

どちらが正しい、間違っている
ということをあげつらい、
モラルハラスメントの類型を提示することは
みんなを不幸にするだけです。

幸せになる方法こそ
みんなで広めていきましょう。
そのための翼がほしいと強く思います。