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残業代請求、雇止め等は、社会保険労務士会のADRが良いかもしれません。 [労務管理・労働環境]

社会保険労務士という職業も、
会社の労務担当とかの役職に無いとなかなかわからないかもしれません。

文字通り社会保険の手続きや、
労働関係の書類の作成、提出手続きをしてもらえるし、
特定社会保険労務士さんでは、
残業代、賃金、解雇無効等の労働紛争で、
あっせん手続きなどで、代理人にもなってもらえます。

わが宮城県の社会保険労務士会も
8月から、個別労働問題の示談斡旋センターを
開設されたとのことです。

弁護士は、案外他業種のことをわからない人が多く、
社会保険労務士と行政書士との区別もつかない人も
少なくないようです。

社会保険労務士の先生方は、
企業の中で、労務実務を行っており、
現実の事例をたくさん扱っています。

また、宮城県のセンターのあっせん委員は、
裁判所の調停員の経験者も多く、
実は示談斡旋のベテランが多いのです。

弁護士の中には、社会保険労務士の仕事の性質上、
使用者側に偏るのではないかと言っている人もいますが、
その心配もないようです。

私は、仕事柄多くの社会保険労務士の先生の
お仕事を引き継いだり、
拝見させていただいたりする機会が多いのですが、
一言で言って、「堅い」お仕事をされています。
堅実というか、無難な線で法律的アドバイスをされています。

後々紛争にならないように、
安全策で、会社を説得されているのです。

裁判で、法律的にむちゃくちゃな抗弁を出してくる
某職業の方がいらっしゃいますが、
その方があっせん委員になることに比べれば、
企業に偏るという心配は無いと言ってもいいでしょう。

職業的違いなのでしょう。
社会保険労務士の先生は、
まさに紛争が起きないようにすることが仕事です。
堅く、安全策をとることが全くの正解です。

私を含めて弁護士は、
紛争が起きてからの仕事なので、
ぎりぎりの線を主張して行くことも辞さない
ということが多いのかもしれません。

法律の範囲での解決ということであれば、
割と我々弁護士より、固い線になるかもしれませんし、
他の解決手続きより、解決案が明確になるという利点がありそうです。

また、期待している点が2点あります。
弁護士以上に会社を説得する経験をお持ちの方が多いので、
会社側の説得がお上手だろうということです。
我々弁護士もおおいに勉強になるはずです。

もう一つは敷居が低いだろうということ、
地労委や労働基準局のように、行政関係ではないし、
裁判でもない、
町の解決センターのように、
気軽に申し込める、
弁護士会のADRよりも敷居が低いのではないかと
期待しています。

弁護士を頼んで裁判するまでは考えていないけど、
なんとかなるなら何とかしたい。
1円の単位までぎりぎり請求したいわけではないけれど、
このままで終わるのだけは嫌だ。

そういう場合は、一番ふさわしいかもしれません。

会社にとっても、社会保険労務士会のADRなら、
まあ、話を聞いてみるかと、
いつもアドバイスを受けている社会保険労務士
の先生がやっているわけですから、
それほど構えないで出てきてもらえるかもしれません。

特に、中小企業の労働問題なら、
社会保険労務士会の先生方の方が、
一番よくわかっているので、
その点からも、社会保険労務士会のADRは、
役割を発揮することが求められていると思います。

会社の方も、労働問題が起きた時、
その場でなかなか解決がつかない場合、
社会保険労務士会のADRで話し合おうと
利用することもありかもしれません。
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コメント 2

しのづか

社会保険労務士会のADRを、独特の切り口でご紹介いただいており、思わず感謝のコメントを書いております。
とくに、企業側に偏らないあっせんが期待される、とのご説明、「堅い」とのご感想は、私たちを勇気づけてくれます。
ありがとうございます。
by しのづか (2010-11-10 11:34) 

ドイホー

コメントありがとうございます。
社会保険労務士の先生からは、
いつも知識だけでない実務経験を
教えてもらっております。

社会的ニーズもあると思います。
大いに期待しております。
by ドイホー (2010-11-15 08:41) 

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