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特殊公務災害 基金審査会で逆転認定 ここに至る人の輪について [労災事件]

今回、最もご活躍されたのは、大友さんのご両親で間違いないでしょう。
途中で諦める方が多い中で、最後まで頑張り抜いたのですから、
大変なご苦労があったと思います。

頑張り抜ける方というのは、信念をお持ちだということを、
目の当たりにしました。
息子さんの死は、住民のために命を投げ打って公務にあたった
その結果だということを信じていたからこそだと思います。

腰の低い丁寧なお話ですが、決めるときは、押し出し強くといいう、
素晴らしい姿勢を貫かれました。
もっとも、当初は、マスコミの取材なども尻込みされていたのですが、
最近では、堂々と簡にして要を得たコメントを出されています。
この取り組みの中で、変わられたという印象です。

南三陸防災庁舎事件では、遺族を激励に来ていただき、
心の交流が図られました。
南三陸の事件が、多くの方々の参加で、うまくゆきつつあるのは、
大友さんの功績も大きいと考えています。
口頭意見申述でも、私が細かい指示をしなくても、的確な発言をされていました。
おふたりのお話を聞きながら、自分の原稿を修正して、
ビジュアル重視のプレゼンに切り替えることができました。

準備というか、調査ということについては、
大友さんのお兄様の功績が大きかったです。
気象庁のデータや宮城県の津波予想のデータをいち早く発見されています。
お兄様のブログで、大友さんが必死に避難を呼びかけたために、
おばさんが逃げ遅れず避難して命が助かったというエピソードが紹介されていますが、
これは、大友さんのご友人のブログに寄せられたエピソードだそうです。
インターネットが大活躍していました。
http://blog.livedoor.jp/anagma5/tag/%E4%BB%99%E5%8F%B0%E5%B8%82%E8%8B%A5%E6%9E%97%E5%8C%BA%E8%8D%92%E6%B5%9C

大友さんの事件は、実は依頼を受ける前から、噂は聞こえてきていました。
大友さんのご両親を支える人たちはとても多かったようです。
まず、大友さんご本人の職場である市役所関係の人たちも
暖かく、支えていたようです。いろいろアドバイスを受けていたようです。
大友さんご本人のお人柄がしのばれるところであります。
震災の事件のひとつの側面を象徴していると思います。

今回、国会議員の高橋千鶴子先生が国会で
この問題を取り上げてくださったのですが、
これもそんな人の輪の中でのお話です。

お母さんが、何かの行事に参加したところ、
知り合いの方が元気のない様子を気にかけられたそうです。
お母さんが事情を説明したところ、
非該当との処分をした基金支部長が奥山市長になっていたため、
知り合いの市議さんを紹介して、国会議員の先生までつながったようです。

最初秘書さんから私の事務所に電話があったときは驚きました。
本当かなと身構えもしました。
お忙しい方なんだろうなと思い、気を使って秘書さんに連絡を取っていたら、
フェイスブックでお友達に誘っていただき、直接連絡を取らせてもらうようになりました。
実際とてもお忙しいようです。

高橋先生が、我々が東京で口頭意見申述をした前日、
国会の委員会でこの問題を取り上げていただいています。その様子はこちら
http://chiduko.gr.jp/kokkai/kokkai-1640
議事録が掲載されている貴重な資料です。
本当にありがとうございました。

大友さんの被災を悲しんでいたのは遺族だけではありません。
ご遺体が上がった沼に、毎月立派な花を手向けていらっしゃる方がいます。
悔やんでいらっしゃる方がいるわけです。
特殊公務災害は、指示をしている誰かがいらっしゃるわけです。
その方のためにも、特殊公務災害を認めてもらいたいと訴えましたが、
仙台支部審査会は、にべもなくお門違いだとはねつけました。
お門違いはわかってて言っているんだと言いたかったです。
わかっているけど、言わないわけにはいかなかったんだと。

今回の無謀な広報指示は、それまでの津波高1m程度の予想に基づいて、
マニュアル通り実行されたものです。
想定外の事態において、それでも公務員は命をかけて
住民の避難誘導をしなければならないでしょうか。
ただ、それをすることによって、助かる命が確かにありました。

震災の教訓として伝えなければならないことに、
そのように、住民のために命を落とした公務員の方々がたくさんいたこと、
どうすればその犠牲を減らせるかということもあるとおもっています。
とても難しい話だと思います。

私は、住民のために命を落とした公務員の方々、
津波のあと、自分や家族を投げ打って不眠不休で住民のために尽力された
公務員の方々をたくさん見ています。
この方々に尊敬と感謝の気持ちを表していくことも、
震災を風化させないひとつの大切な方法だと考えています。

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