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摂食障害が、単体で自死の直接の原因になりうるのか 例えば高校生くらいの年齢の場合 [自死(自殺)・不明死、葛藤]

摂食障害とは、
神経性無食欲症(f50.0)と
神経性過食症(f50.2)を中心とした、
食事をとることに関する障害で、

神経性無食欲症(拒食症)は、
体重の低下、
体重低下の原因、
肥満への恐怖
内分泌系の障害
等の障害によって、確定診断に至るそうです。

確かに摂食障害は、自死を起こす疾患として有名ですし、
食べないこと自体が、
生きるための活動の放棄ですから、
それ自体緩やかな自死ということができると
提唱する方もいらっしゃいます。
(この考えが、交感神経持続症候群の提唱に
 重大なヒントを与えました。
 http://www001.upp.so-net.ne.jp/taijinkankei/
 この左上にPDFへのリンクがあります)

但し、摂食障害による自死は、
3つのタイプに分類されるそうです。
1)やせ過ぎと脱水症状による衰弱死
2)過食が止まらない
3)アルコール依存症などとの併発

特に死亡例(既遂例)は、
圧倒的多数がアルコール依存症を併発していることが多いようです。
(たとえば、精神科治療学vol.25no.2 Feb.2010
「摂食障害と自殺」鈴木健二

そうだとすれば、
アルコールの飲酒の見られない
たとえば高校生くらいの年齢の女性が
拒食を続けているような状態の中で、
ことさら、入水などの自死をすることが、
摂食障害がいくら重症化したとしても、
自死行為の直接の原因になるということは
考えにくいことです。

もし、他に、心理的圧迫を加えられているような事情、
対人関係学的に言えば
仲間であるべき人間たちから追放を示唆されたり、
特定の社会集団の中で孤立を深めているならば、
そちらを原因だと考えるべきだということになるでしょう。

そもそも、
自死の原因として摂食障害があげられるのであれば、
それは、本当に摂食障害の診断基準を満たして、
確定診断できたのかを疑うべきです。

うつ病や適応障害によって、
食欲がなくなり、
食べられなくなっていたのではないかということを
検討するべきです。
食べなかったのか、食べられなかったのか!

対人関係学的に言えば、
対人関係の中での疎外、孤立、迫害が続き、
存在自体を否定されるような状態が続く場合、
持続的に交感神経が活性する反応の一つとして、
生きるための意欲が低下していくということを唱えています。

生きるための活動として、食事をとることも
もちろんあげられますので、
パワーハラスメントやいじめが続くと
それに対する反応として
食欲がなくなるということになります。

ところで、過重労働と精神疾患の議論の中で、
長時間労働が
精神疾患を発症させ、自死につながる
ということを厚生労働省は警告していますが、
その議論の中で、
長時間労働に、パワーハラスメント等の事情が加わると、
精神疾患発症から自死への時間が
とても短くなる傾向が指摘されています。

われわれ過労自死事件を担当する者からすると、
厳しいパワーハラスメントを受けて、
周囲からもフォローされていない場合は、
絶望感が深くなるためか、
致命的な手段での自死行為がなされる傾向にあることを感じます。

人里離れた山中で縊死したり
高層ビルから飛び降りたり、
車ごと入水したり
という、確実に死ぬ方法を選択する傾向にあります。

希死念慮とは、当事者方の話では、
死にたいというロマンチックな気持ちではなく、
「自分は死ななければならない」という
強固な感覚なのだそうです。

高校生くらいの、特に女性の場合、
このような経験論的な観点から、
薬の過量服薬やリストカットではなく、
致命的な方法による自死があったとするならば、
それは、対人関係上強烈な疎外、無視、攻撃が
あったとみるべきだと推測されます。

専門家が、自分の専門を目的外使用するのであれば、
潔く職を辞するべきです。

他の専門家が、このような逸脱行動をしていることを
認識した場合は、
自分の職、立場を守るために、
逸脱行動であることを明らかにして批判するべきです。

特に将来の命を守るために
子どもたちの健全な成長を図るために
専門家としての専門性を発揮しなければならないときに、
立場を悪用する結果となることは、
許されることではないと考えます。

専門家集団の自浄作用を期待します。




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