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なぜ妻は、婦人相談所で、夫から精神的虐待を受けていると言うのか 夫が悪い、妻が悪いという二項対立をアウフヘーベンして幸せな家族を作ろう 自分たちを大切にする方法 [家事]



1 思い込みDVのパターン

 ありもしない夫のDV、精神的虐待を妻が婦人相談所であると言ってしまう一つ目の理由は、思い込みDVのパターンです。
つまり、妻がもともと出来事が無くても不安や焦りを感じやすい体調になっている(パニック障害等の精神疾患、精神症状を起こす場合のある内科疾患、婦人科疾患、交通事故などの頭部外傷、お子さんに障害がある場合、住宅ローン、夫に内緒の借金や公共料金滞納、自分の過去)。
  ⇒ 不安や焦りを解消したい。⇒相談機関があるから相談してみる。
  ⇒ 夫に対する不満を話すよう誘導される(誰だって多少はある)
  ⇒ 「あなたは悪くない。それは夫のDVです。」
  ⇒ 夫からDVを受けています。

2 ミュンヒハウゼン症候群みたいな

 妻がありもしないのに、婦人相談所でDVや精神的虐待を受けているという二つ目のパターンは、誰かから要するにちやほやされたいという感情が病的にある場合ということです。

しかし、そういう要求が出現することはやむを得ない事情があるようにも感じます。
 これまでの人生において、姉妹、兄弟、あるいは親と比較して、自分だけが他者から肯定的な評価を受けず我慢していたとか、病気等が原因で仕事も家事もできず他者に貢献する機会がなかったことに後ろめたさを感じ続けてきたような場合(基本的にはまじめすぎる人なんだと思います)、夫の仕事の都合で見ず知らずの土地に来て地域の人と打ち解ける機会もなく孤立している場合という環境因子と、やはり本人の性格が合わさり、他人からちやほやされたいと思うようです。役所の公務員、警察、NPOの専門家然としている相談員、医師や教師などからちやほやされることに免疫のある人はいないでしょう。

⇒ 夫からDVを受けている。⇒ 大変だね。頑張っているね。あなたは悪くない。⇒ 実はもっとひどいことをされている。(離婚歴などがあり、過去にパートナーからひどい仕打ちを受けていてPTSD様の状態である場合は、過去の体験を現在の夫の行為として話し出すことが複数件でみられました。その時の様子についての説明から、結婚する前の時期の出来事だと判明。)
⇒ 早く夫から逃げなければ殺されてしまうよ。⇒ いやいやそこまででは・・・
⇒ 何を言っているの?命は大事だよ。子どもも殺されるかもよ。そんなひどい人なら一生治らないよ。
⇒ じゃ、じゃあ・・・

3 夫の正しさ

妻が婦人相談所から尋ねられて、精神的虐待やありもしない夫のDVを肯定してしまう場合に他の要因と合わさって、夫の過剰な正しさがある場合があります。
8月3日付のブログでも書いていますが、今回は妻の心理の側面から補足したいと思います。
人間は、群れの中にいたいという主としての本能がある一方、生物個体として自分の身を自分で守りたいという本能があるようです。両者は局面によっては矛盾するのですが、月と地球のように遠心力と引力が折り合っているのでしょう。

自分の身を自分で守れないと感じるとパニックになり、不安や焦燥感をいだくということは簡単に想像できると思います。真っ暗の中、どこかわからないところで目隠しをされて両手両足を縛られてしまうと、誰でもパニックになると思います。具体的危険が迫っていなくても、自分の身が危険さらされていると感じると思います。誰かが、あるいは動物が近づいてくるような足音が聞こえてきたりするかもしれません。金縛りのパターンも同じでしょうね。これをまず抑えておいてください。

夫の正しさが、妻を金縛り状態にするわけです。

「それをするな。」、「それはだめだ。」、「それはダサい。」、「常識に反する。」、「考えればわかるだろう。」、「やりなおせ。」、「謝れ。」

夫の言っていることは、場合によっては正しいことも多いのです。ただ、その正しさを貫くためには家の中でも常に緊張状態でいなければならず、安らぎなんて無いわけです。当初は結婚したほどですから、何とか夫から評価されたい、あるいは、夫から嫌われたくないと思って無意識に一生懸命やるわけですが、長続きしません。

徐々に自分が何をしても否定されるという意識になって行ってしまいます。何をするのも怖くなります。家のことなのに、自分で決めることができない状態になるわけです。あれこれ行動が制約されていくうちに、「自分で自分のことを決められない。」⇒「自分で自分のことを守ることができない。」という意識になり、
⇒「自分の行動は夫から支配されている。」と思うようになるようです。

そして、広範なダメ出しによって、自分は夫から見下されている、馬鹿にされている、対等の関係を築けない
⇒ 夫といると自分は安心できない。警戒し続けなくてはならない。
という感じになるようです。犬の嫌いな人が、大型犬と一緒にいるような落ち着きなさが日常になってしまうのでしょうね。

また、人間は成長過程によって、自己防衛を指向するようになります。つまり赤ん坊の時は、自分のことを自分で決めたいという個体はあまりいません。大人になっていくにつれて、自分のことを自分で決めたいという意識が強くなっていき、これを妨害する相手を敵視するようになるようです。結局、「何かあったら守ってもらいたい。でも日常は自分で決める。」というのが成体の人間なのでしょう。

また、夫の言い分が正しいとしても、それを発する自分の労力、それに対する否定的な感情を抱く相手の気持ち、その結果夫婦にしこりを残すという多くのデメリットを考えると、妻にやかましく言うことは結局のところ誤っているということになるかもしれません。ところが実家でのしつけの家庭や学校、職場での行動様式の静かな強要、常に神経を集中させる生活が身についてしまうと、他人である妻がいる空間でも、つい神経をとがらせてしまう行動様式を取ってしまうのかもしれません。その行為だけを見て評価をする場合は間違ってはいないのかもしれませんが、根本的な家族という人間関係を良好なものとするという観点では、端的に言うべきではない。費用対効果が見合わないということになります。

見て見ぬふりをする。まあいいかという心の中の処理をする。許す。寛容になる。相手に任せたことに男子たるもの口出ししない。こんな感じの生活が幸せを勝ち取る最善の手なのだと思うことが無難なのだと思います。

4 夫の幼さ

夫に身に覚えがないのに妻が精神的虐待を受けていると主張する4番目のパターンは、以下に述べる夫の幼さを妻が指摘して夫が感情的に反発するパターンです。
別居事例、離婚事例を見ていると、夫婦で共同生活を送る以上、一方は他方に「二人で生活している」という実感を持ってもらわなければならないと考えた方がよさそうです。意識的に実感を持ってもらう行為をするということです。

しかし、おそらく学生時代に両親と生活している感覚なのかもしれません。すぐに一人になろうとして自室にこもるとか、休日に妻を家に置いて頻繁に自分の趣味の活動に出かけてしまうとか、家事を頼まれていても忘れてしまうとか、自分のことはいろいろプランを立てるけれど夫婦共通のこととなると主体的に取り組まないとか、見たい番組ではないからと言って一緒にテレビを観ないとか、高額の趣味のものを内緒で買ってしまうとか、家のことでやらなければならないことなのにそれを妻から言い出すとなんだかんだ引き延ばして嫌々やっている感を出すとか、妻が料理をしても自分の趣味(と言ってもユーチューブ見ているとか)を優先して別々に食べることになってしまうとか。

そういう不満を最近家裁手続きの書類で読むことがあります。中には職場の過重労働やトラブルでうつ状態になり、一人の部屋に逃避している場合もあります。

それでも妻からすれば、結婚しているのに二人で行動しないでどうして自分が一人ぼっちにいつもさせられるのかという不満をもつのも理解できることです。新婚の内は別々の部屋なんて本来ない方が良いのかもしれません。

逆に妻の方がべたべたするのが嫌で、一緒に部屋にいるのは良いとしても、あれこれ詮索されることがうっとうしいというストレスが爆発したような事例もあります。

いずれにしても、男性も女性も、自分が相手から尊重されていないのではないかということを自分を軸に考えますから、相手が尊重していないわけではないとしても、感覚が違うと自分だったらこうしたいけれど相手がそうしないということだけで、たちまち不安になるということはやむを得ないところだと思います。

これを解決するためには、先ず、言葉で自分は相手を尊重している問うことを明確に伝えること、そしてお互いの生活上の希望を出し合うこと、相手が切実に一緒に行動したいというならば、やはり一緒に行動するように自分のスタイルを修正するべきだと思います。但し、自分のスタイルを相手に押し付けて、相手がそれに同意しないからと言って感情的になってしまうのもわがままであり、共同生活が難しくなるようです。

加減は難しく、時間がかかります。自分の信念や哲学、心情を捨てるということも時には必要になると思ってよいのではないでしょうか。ちなみに私もだいぶ独身時代大事にしていた心の部分を捨て去りました。大げさに言えば生き方を変えたところも結構あります。でも、歳をとった今となっては、なんであんなこだわりを持っていたのだろうと肯定的に捉えることの方が多いように思います。そのおかげでこのブログや対人関係学が結実したようなものです。結婚をすると選択した以上、ある程度家族を優先して生きていくということは不可避的な話なのだと思います。余計な話ですが、それだけ努力しても、なかなか相手には伝わらないことが唯一残念なことではあります。

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