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隠れた離婚理由  夫婦関係恐怖症 子の連れ去り別居、不可解な離婚理由の場合に結構見られるケース [家事]

夫婦関係恐怖症というのは、名前を付けた方がわかりやすいだろうということで今作った造語です。どういう状態かというと、これまで夫婦仲にそれほど問題が無かったのに、ある時期から突然妻の方が夫婦関係を行うことを極端に嫌悪するようになるのですが、それをなかなか夫に言い出せないうちに、やがては夫そのものへの嫌悪感、恐怖感に転じてしまい、その結果どうしようもなくなり夫の元から逃げ出すという状態です。離婚問題ではこういうケースが結構あります。

妻側の代理人の時の方にはっきり言われたことがあります。こういう言いにくいデリケートなことを、いかに仏像の顔をしている老人に対してとはいえ打ち明けるわけですから切実な問題が現存しているのだと思います。

こういう事例の奥さんはまじめすぎる人が多いようです。夫婦なんだから夫婦関係には応じなければいけないことになっていると難く考えているようです。応じないことで夫に後ろめたい気持ちになることもさえもあるようです。人間は罪悪感が高じると、自分を正当化して罪悪感を減らすようにできているようです。無責任な第三者の「あなたは悪くない。」という言葉があればなおさらそうなることはよく理解できます。夫婦関係を営めないのは、そもそも夫が自分を精神的に虐待するからだというように感じるようになるようです。罪悪感を解消したい⇒そのためにはどうするか⇒そうだ夫が悪いことにして自分を正当化しようという思考では無く、自然と無意識に夫を攻撃するようになるようです。そう仕向ける第三者がいるかどうかは別問題です。

ただ「行為が嫌になったのであって、あなたが嫌いになったわけではない。」と言えればよいのですが、デリケートな問題なのでなかなか言いにくい。言ったところで、夫から浮気を疑われるとか、心変わりだと単純に結び付けられることも多いようです。応じられなくなった夫も不安なわけです。また、それを理由に離婚を言い渡されるのではないかという不安から、言えないまま過ごして、最終的には自分から子どもを連れて別居して離婚を請求する側になるのですから人間の行動は不合理です。

ややこしい話としては、弁護士が依頼者から安心されていなくて、依頼者が「こんな話をしたら変にみられるのではないか」あるいは「話をすること自体が恥ずかしい」と思われる場合は、なかなか弁護士に言い出せないのはよくわかります。弁護士から聞くこともなかなか難しい問題です。だから、弁護士から離婚理由を尋ねられても、先ほどの自己正当化の方ばかり言うしかありません。そうすると何も知識(先入観)の無い弁護士は、記憶があやふやな針小棒大のDV、精神的虐待しか聞き取ることができず、あやふやな主張をするしかなくなるという流れになるようです。「日常的に暴力暴言を受けていた。精神的虐待があった。」等という、事実が無くてもかける文章しか書けないわけです。こういう依頼者に安心されない弁護士は、夫が嫌いになったから夫婦関係を拒否するようになったのだと信じて疑いませんが、事情を聴いてみるとどちらかと言えば、夫婦関係に応じることがしんどいために、後ろめたさも手伝って夫を敬遠し、嫌悪感や恐怖感を募らせていくという順番のケースが結構多いようなのです。

そもそも離婚さえできればよいという考えでは、夫を非難すればよいのかもしれません。しかし、むしろ上手に離婚して、子どもと相手との交流を絶たないで、子どもに安心してもらうし、養育費もきっちり払ってもらうしという希望にシフトをしなければ、本当の「離婚理由」は見えてこないようです。

どうして夫婦関係に応じられなくなるかというと、純粋に生理的な問題だということが多いようです。精神的苦痛というより肉体的苦痛が発生してしまうようです。きっかけとしては出産が多いようです。10年くらい前の多い事例は第2子出産後、しばらくしてもその気になれなくなってしまったということでした。現在の主流は第1子出産後です。もしかすると、初産の年齢が高齢化していることと関係があるのかもしれません。厚生労働省によると、昭和50年の第一子出産時の母親の年齢が25.7歳でしたが、平成10年27.8歳、平成20年29.5歳、平成30年30.7歳と右肩上がりに上がってきています。

夫婦関係拒否については、その他には妻側が働いているから産休を取りづらいとか、子どもが一人増えることによる経済的負担があるとか、出産に対する将来的不安事情も心理的影響があるのかもしれません。

いずれにしても夫側の事情ではないために、夫は妻の心境の変化がなかなかわかりません。夫婦関係を連想させないスキンシップは普通に行えることが多いことも、理解ができないという事情の一つになります。真面目な人ほどパートナーに言いにくいもののようです。確かに、例えば封建的な男性が、仕事で失敗して収入が著しく減少する見通しだなんてことは言えませんものね。
とにかく、夫が嫌いになったのではない、これからの二人の関係はこうしたいということを告げることで、本当の夫婦となっていくのかもしれません。繁殖期の終わりは二人同時には来ないのでややこしくなることはどの夫婦にも起きうることだと思います。

ところで、出産の次に多いとまで言えるかどうかはともかく、結構多い理由が、妻の過去の悲惨な性体験による精神的問題です。前夫との問題だったり、婚外の出来事だったり、職場のセクシャルハラスメントだったり、あるいは何らかの目撃体験だったり、様々なのですが、真面目に夫婦関係を営もうとすると過去の悲惨な体験の際の「心情(感覚)」が記憶より先によみがえってくるようです。記憶が錯乱することがあり、本当は自分の夫との関係ではないのに、自分の夫からされたことだと思い込んでしまうことがあるようです。もっともそれは今の夫との問題ではないと思っていても、夫を責めることで心理的負担を軽減しようとしている可能性もあるような事例もありました。これは、その出来事起きた時にあった出来事が、夫との同居時は存在せず、その出来事は前に結婚していた時期に起きた出来事だったということを調査の結果判明したためにわかりました。記憶の混乱ないし混同は結構簡単に起きるようです。案外悲惨な体験自体は夫に話していることも少なくないようです。それと夫に対する嫌悪感は、自分では自覚していないことのようです。


以上、隠れた離婚理由である夫婦関係恐怖症とどうしてそれが表に出てきにくいかということをご説明しました。

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