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夫婦安泰、夫婦再生の一番の邪魔ものの「真面目過ぎる」という状態とその影響がわかりにくい理由 漫画「レモンハート」のある話をとっかかりに [家事]



レモンハートは、古谷三敏氏(2021年にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします)の長期連載漫画で、舞台となるバーの名前です。元々はラム酒の銘柄です。この漫画では様々なことをたくさん勉強させていただきました。

その中で、割と最近の作品でしたが、バーの客がバーのマスターに対して、「自分には恋人がいるのだけど、デートの時に必ず遅れてくる。自分は時間にルーズな人が嫌いだから、結婚せずに別れた方が良いのだろうか。」というような質問をしたのだったと思います。

私も当時は、この男性の言い分はよくわかりました。待たせる時間が長かったというのも共感のポイントだったという記憶です。

しかし、マスターは、「時間に遅れるくらいで好きな女性と別れようと考えるのはおかしい」という厳しめの意見だったので、驚いた記憶がありました。

男性についての私の共感のポイントは、「私も相手を待たせないように、相手に失礼のないように時間には必ず間に合うように行く。何なら時間より早く言って待っている。私を何度も長時間待たせるということは、私を待たせても平気だから待たせるのだ。自分が尊重されていない、軽く見られているということなのではないか。」と心を分析するとそういうことでした。

マスターの話は、「待たせるからと言って尊重していないというわけではない。むしろ、あなたに自分の印象を良くしようといろいろ準備をして迷っているということなので、あなたはそんな彼女のことや、これからのデートのシミュレーションをして幸せな時間を過ごすべきだ。」ということを割と強めに言っていたように記憶しています。

結局双方の誤解が解けてハッピーエンドになったように記憶していますが、当時の私には納得がゆかなかったことも覚えています。

2 不寛容な自分の心の分析1 自分自身に対する自分の要求度が相手に対する要求度に反映する。それ以外の選択肢が浮かばない事情。

さて、当時の自分の気持ちから分析してみようと思います。私は時間に関しては大変まじめだと思います。つまり、時間は守らなければならないものだという意識を強く持っています。時間に遅れるということは、相手に対して失礼だという思うのです。
自分に対しての決め事、真面目さというのは、多くの場合、相手にも同じ態度、真面目さや緊張感を要求しているものです。また、時間に遅れるのは、本人の態度の問題であるという意識も強くなっていたのだと思います。もう一つ言えば、自分がこんなに努力しているのに、相手は自分に対してそのような努力も緊張感もないということは不公平だ。自分だけ損をしたような気がする。
という気持ちだったため、時間を守らない相手に怒るのは、当然だと思っていたのだと思います。

ずるいとか、不公平だという意識があるようにも思われます。あくまでも相手に対等平等の関係を望むと言えば聞こえが良いかもしれません。
しかし、それは自分の価値観を相手も共有するべきだという価値観の押しつけになっているということは見逃せません。それよりも、自分の時間を守るという意識が強すぎて、時間を守らない理由は自分の問題意識と同じと勝手に考えてしまい相手を尊重していないということだけが時間に遅れる理由として浮かんできて、他の事情を推測しようという発想になれない原因となっていたと思います。特に、自分には身だしなみに気を使うという意識が低いために、漫画を読んだ当時は服を選んだり身だしなみを調えたりすることにそんなに時間がかかるということも想像ができませんでした。一言で言えば狭い料簡になってしまうということでしょう。

3 相手との盤石な信頼関係があれば、不寛容にはならないかもしれない 不寛容な自分の心の分析2

もう一つ、相手との信頼関係の強さという要素も重要だと思います。
大学時代、友達が引っ越しをするというので、手伝うことになりました。もう一引っ越す友達がレンタカーを借りて、もう一人の友人がそれを運転して、二人が集合場所で私を拾って引っ越し先に行くという手はずになっていたと思います。ところが、1時間たっても彼らは集合場所に来ませんでした。今のように携帯電話の無い時代ですから、連絡を取る方法もありません。それでもこの時は、その友達との信頼関係があったので、自分をふざけて待たせているという発想すらありませんでした。「何か事情があって遅れていたのだろう」と軽い気持ちで待っていました。「どうせその日は夜遅くまで引っ越し作業で自分のことは何もできない」という腹を決めていたという事情もあったと思います。案の定、道が不安内の上に渋滞が発生していて遅れたとのことでした。待たせている方こそが気が気ではない状態で、焦っていたようでした。「何をそんなに」と不思議に思うほど二人は恐縮していました。

大学時代の生活自体がルーズだったため、時間に厳しくするという発想が無かったということもありますが、信頼関係がありましたし、引っ越しを手伝ってあげるという立場の問題もあり、自分が尊重されていないと考える発想が浮かばなかったという事情があったと思います。

これが、デートと言う微妙な人間関係の場合は、相手は自分からどう評価されているのだろうという不安定な状態を反映して、このままうまくいかなくなるかもしれないという不安が控えているわけです。自分に対する相手の評価ということが一番の関心事になっているわけです。そうすると、時間に遅れるということもその自分に対する評価にかかわることなのかもしれないと思いがちになるのではないでしょうか。

盤石ではないカップルの場合は、相手の遅刻を気にしてしまうとことは無理が無いような気もします。

4 相手の遅刻に焦る彼氏の感情の置き換えを考える

現代の日本人は、わずかな時間でも定刻通りではないことに不安になるようです。先日裁判のために新幹線で函館まで行ってきましたが、帰りの便で確かに2分の遅れがあるだけで場内アナウンスでお詫びをしていました。私はと言えば、駅からは帰宅するだけだったので、2分くらいどうでもいいやと思いながら聞いていました。日本以外は列車が定刻通りに発着する方が珍しいようです。

仕事であっても、時間に対して几帳面すぎるのかもしれません。どうしても「時間が無い」という感覚は、進化上の理由から、到底必要のない強い緊張を招いてしまいます。実質的な不利益をはるかに超える精神的ダメージを受けてしまうようです。ましてやデートなど家族のことでは、約束の時間に遅れるということが致命的な問題になることはめったなことではないはずです。それにもかかわらず、時間に遅れたことを責めることで、相手は確実に気分を害します。これでは費用対効果で考えると随分割に合わないことになります。

遅れることでイライラしないならば、ずいぶん家族や恋人の人間関係が暖かくなるということは認めるべきだと思います。

遅れてくることに対するイライラする感情を別の選択肢に置き換えると、みんなが少し幸せになりそうです。
レモンハートのマスターが言うように、「あなたに会うことに緊張しすぎてしまって、自分の身だしなみを調えることに夢中になってしまって、時刻に間に合うことに意識を向けることができなかった。自分はそれだけ配慮されているし、自分との関係を継続したいと考えている証拠だ。」というのは、なるほど置き換えるべき感情でしょう。

「これから二人で過ごす時間をどのように楽しく過ごそうかと考える。」これも楽しくなる結果となる感情の置き換えでしょう。

わたしはそれに加えて、「チャンスタイム!」だという感情に置き換えることを提案します。
相手は時刻に遅れていることは、当然ながら知っていて恐縮しているはずです。だから、自分が遅れたことに対してあなたがどう思っているか心配でならないはずです。そこで、イライラした様子を見せないで、何事もないように、では行きましょうかとニコニコとエスコートする、相手はあなたを寛容な人だ、私を許してくれると安心することになり、あなたが安心できる人だと強く印象づくわけです。これはなかなか作られないチャンスです。ここで大事なことは表情です。イライラするのではなく歓迎するという表情を創るということです。

「なんてことはない」という態度で相手がびっくりするだろうということを想像するだけで幸せになれると思いませんか。

実はそれが信頼関係を高めるということであり、ますます相手の行動にイライラしなくなることにつながり、好循環が期待できることです。

5 その他のイライラの根元

今見たように、真面目過ぎる人が自分の大切な家族や恋人に対して、守るべきことを守らないということでイライラしたり、文句を言って相手にプレッシャーをかける要素は、実務的に見ていると職場が関係することが多くあります。

職場で上司から文句を言われたことと同じように自分より弱い人に言いたくなってしまうという人間の行動を軽く見ることはできないようです。会社の中の常識を家庭でも押し付けてしまっているということがよく見られます。

自分が現実にイライラ顔の上司から注意されたり、取引先から嫌味を言われたことなので、それは社会常識であり、守らなければならないことだという意識がどうしても出てきてしまいます。また、真面目な性格ですから、今のうちに修正しておかなければ家族が社会に出て困ることが起きてしまうということも、自分が指摘しなければならない気持ちを後押ししてしまいます。

しかし、冷静に考えれば、「本当にあなたの価値観を家族に対して押し付けることは正しいのだろうか」という疑問を持たなければならないかもしれません。特に相手の感情、思わず口走ったこと等、緊張しないで偶然発した言葉や行動に、それほど目くじら立てないほうが良いです。そうでなければ、相手はあなたと一緒にいると、いつ何時不意打ちで注意されるかわからず、常に緊張する状態になりかねません。あなたの注意の程度と頻度によっては、あなたといることが常に恐怖になってしまうことも出てくるかもしれません。


家族にイライラした場合は、簡単にそれを告げず、できれば表情も見せず、感情の置き換えを試みることが幸せな家庭生活の保障になるのかもしれません。

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