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【実務的過労死防止啓発】気を付けよう!これが過労死に誘導するキーワード。 [労災事件]

某武蔵野大学教授や富士通何とかの社長のツイッターのおかげで
過労死に誘導するキーワードがあるということがはっきりしてきました。
面白いから、少し整理してみました。
過労死を無くそうといっても過労死はなくなりません。
こういう作業と世論形成が過労死防止の実務的方法だと思います。

<上司無能型>のワード
「社会人は結果がすべてだ。頑張ったなんていいわけだ。」
「信頼に応えないでどうする。」
「仕事を教えてもらっているのだから必死になれ。一度で覚えられないなら自分で調べろ。」
「人に聞こうとしないで、やってみて工夫しろ。」
「なぜ結果を出せない。甘えるのもいい加減にしろ。」
「ちゃんとやれ。きちんとやれ。しっかりやれ。」
「何をやっても中途半端。」

【解説】
労働者は、採用試験を受けて採用されているわけです。
それほどポテンシャルに差がない人たちの集合が会社です。
そうだとすると、上司にできて新人にできないというのは、
経験の差か、それ以上に指導上司の力量だと思いませんか。
結果を出すのは当たり前ですが、
経験がなかったり、上司の指導がまずかったりすれば
どうやって結果を出すのかなかなかつかめません。

力量のある上司であれば
部下の弱点がどこにあり、
どのように改善すれば結果にたどり着くか
コーチングをすることができます。

そのようなコーチングもできないくせに、
結果が出ないと怒っているのは
無能な上司の癇癪ということになります。

自分で見つけないとわからない
というのは、全くの迷信です。
実際剣術も、北辰一刀流の千葉周作が
刀の握り方(利き手のどの指に力を入れる)等の具体的指導を言葉にしたので、
だいぶ発展したということを教えてあげましょう。

覚えるまで無駄な思考錯誤をさせるというのであれば、
上司なんていらないわけです。
組織であるメリットも否定されることになります。

指導できないものだから
結果が出ないわけで、
自分が悪いのに部下に八つ当たりをしているわけです。
部下は、試行錯誤で無駄な時間を費やすわけですから
どうしたって長時間労働にもなりますし、
困惑しながら時間を費やすのですから
精神的にもダメージを受けます。
無力感、自己否定感、絶望感、孤立無援感です。

ちゃんとしろ、きちんとしろ、しっかしろって
誰でもいえることですわ。
じゃあ具体的にどうしろっていうの?
言えないから抽象的な言葉に逃げ込んでいるんです。

甘えているのは部下ではなく、上司の方だ
ということが良くお分かりになると思います。

<恫喝・洗脳型>のワード
「給料泥棒!お前の残業時間は会社に価値がない。」
「転職を考えるか。」
「今の仕事は向いていないんじゃないか。」
「フリーターになりたいか。」
「非正規の人たちは安い給料でもっと頑張っている。」
「途中で投げ出す奴は大成しない。」

【解説】
現代の労働力流動化優先不安定雇用創設型労働市場では
せっかく正社員になったら退職したくない
という強い要求が労働者に出てしまいます。
普通に働いているのに、解雇になるというならば
どうしたって、残業してでも頑張らなければなりません。
長時間労働になりがちだし、
常に不安を抱かせられているわけですから
精神的にも強い圧迫になります。

賃金は労働時間に対する対価です。
残業をさせた以上、賃金は払わなければなりません。
会社にとって有益か否かは、
法律的には関係がありません。
無駄な残業をさせるならば、
残業をさせるような仕事をさせなければ良いのです。

何しろ労働者は、使用者の指揮命令に従って労働するのです。

ここを勘違いさせようとして、
滅私奉公をさせようとしている死の商人が
最近あぶりだされてきているようです。

なお、このような精神論は上司だけでなく
身内、親から言われることがあります。

<掟依存・群優先・個人否定型>のワード
「みんなが頑張っているのに、自分だけ楽をしたいというのか。」
「仲間の信頼を裏切るのか」
「弱音を吐くやつは情けない。」
「結果と結びつかない議論はしないというのが社会人の常識だ。」
「プロ意識ないやつの言うことだ。」
「無駄話している暇があれば、仕事の準備をしろ。」

【解説】
もともと人間は、群れを作る動物ですから
仲間のために頑張ろうとする本能があります。
これを悪用するタイプの洗脳です。
そろそろ、社会も気が付くべきです。
ものすごく迷信です。
大成する前に体を壊すでしょう。

また、これでは、仲間はいるだけで
プレーっシャーを与える存在になってしまいます。
もちろん、会社に行きたくないという気持ちにさせます。
近くにいる動物で仲間ではないならば、
それは自分を攻撃してくる動物だ
という認識になるようです。

結果がすべてという思考とも共通するのですが、
仲間との無駄な時間の共有(楽天球団が勝ったとか)
が安心感を作り、モチベーションを高めるのですが、
そういうことは理解できないようです。
休憩時間にまで口出しするなよと
自由業の私は思います。

<会社本位制度・情動の乗っ取り>のワード
「勝手な自己判断するな。自分がどうしたいかではなくて、会社が何を求めているかを考えろ。」
「ホウ(報告)・レン(連絡)ソウ(相談)」
「この会社が大変な時に、プライベートが優先か?」
「与えられた仕事は自分のこととしてやり抜け」
「起業家は寝ないで頑張っている。」

【解説】
先ほどの続き、会社本位制度みたいなものですね。
これをそうかと真に受けているうちに
自分の体調や家族の状態を度外視して、
会社に貢献することこそが人の道だと
頭の深いところでしみついてしまいます。

過重労働であれば疲れるのは当然で
休みたくなるのは人間の生理です。
ところが、そういう当たり前の感情を
否定してかかるキーワードですから
乱暴極まりない洗脳です。

過労死は、このように、
自分のことを本位とする行動原理ができなくなり
会社のために「どう動くべきか」という行動原理にすり替えられて
無理だからやめよう、辛いから休もうと思えなくなり起きてしまいます。

だから、過労死や過労自死する前に
仕事をやめようとできないことは自然のことなのです。

過労死を防ぐためには
会社本位の思考から脱却することが
特効薬です。

まだ、労働者が任せられることが少なく
何をやっても上司に報告というのでは、
ストレスが高くなります。

また、こんなことをやっていたら
チームとして活動をしているメリットはありません。
いちいち上司の判断を通さなければならなくなり
長時間労働になることは当たり前です。
巨大な企業が傾いていく原因の一つです。
上司という限られた個人の能力しか発揮できない
というところですから株主さん方は気を付けるべきです。

ちなみに労働者は起業家ではありません。
繰り返しますが、
使用者の具体的な指揮命令に従って労務を提供する
という契約の当事者です。
契約外の労働時間外に何しようと本人の自由です。
当然プライベート優先です。

残業手当も払わないで仕事をさせるなんてことは
会社が労働者に甘えている証拠です。
自分が甘えておいて、甘えるなというのは
実に滑稽で見苦しいことです。

<本当はあからさまな残業命令型>のワード
「まだ終わらないのか。いつまでやってんだ。」
「あれ終わらないと次がつっかえるんだよ。」

【解説】
群れ優先型ともリンクしているのですが、
こういうこと言っておきながら残業は命じていない
なんていう会社が山ほどあります。

大体は仕事過多で終わらないのです。
そうだとすると、
長時間労働、徹夜労働になるのは必然です。

まあ、その他にも胃を切って一人前とか
いろいろありますが、
こんなところで。