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夫を1から10まで嫌いにならないために 2(ケンカの勧めと仲直りの方法と相談相手 ) [家事]


2 夫婦喧嘩は長続きの特効薬
  どんなに仲の良い夫婦でも、夫婦に喧嘩はつきものです。二人で遠慮をしているうちに、不満が積もっていき、それを小爆発させなければ、勢い大爆発までため込んでしまうことになります。それでは、致命的なケンカになりかねません。また、こういう我慢の日々は、相手を怒らせないようにしようということで、夫の顔色を窺う傾向を増加させてしまいます。

  むしろ、小爆発をさせて、仲直りをすることによって、「喧嘩をしてもそれで終わりにならない」という意識を持つことができます。そうすることによって、安心感が生まれてゆきます。些細なことでは壊れないという強固な仲間意識を持つことができるようになります。

  ただ、これは、仲直りの技術が必要です。
  夫婦喧嘩の仲直りの王道は、「なかったことにする」、これにつきます。喧嘩の最中は、頭に血が上っていますので、後先考えないで日ごろの不安をぶちまけます。冷静に考えれば、そんなことは言ってはいけないことも言ってしまいます。それを根に持ってしまうと、収拾がつかなくなります。(年齢を重ねると何を言われたかいちいち覚えていられなくなります。歳を取ることは素晴らしいところもあるのです。)

  さて、なかったことにすることにも方法があります。双方が気まずい思いをしています。大体は次の日の朝ということなのですが、まずは「おはよう」という挨拶です。挨拶を先にした方が大人の対応ということで称賛されるべきです。挨拶の目的あるいは効果は、なによりも「あなたに敵意はありませんよ。」というサインなのです。この敵意がないということを示すことがとても大事です。もちろん相手もあなたも、危害を加えようとはしていないでしょう。でも黙っているとわかりません。人間は、ちょっと心配しすぎるという性質があるということがポイントです。言葉を発して敵意のないことを示すことが、仲直りの第一歩ということになります。

  大事なことはまず挨拶。次は、昨日のことを蒸し返さない。前を見て生活を再開するということです。何事もないふりをして、今日の計画、今晩の夕食のメニューなどを話し合うことが良いでしょう。まさに、昨夜の喧嘩をなかったことにするわけです。あまり謝ることを重要視しないことです。夫婦喧嘩はどちらが悪いか決めるよりも、夫婦というチーム状態の不具合を修正するという発想に立ち返ってください。チームのどちらかが間違いを犯したならば、私たちが間違いを犯したということにとらえ直してください。

  仲直りの方法は、そのご夫婦独特なものになるでしょう。できるだけ簡単なことをお願いしてかなえてもらいましょう。これが仲直り、あるいは一時休戦のサインにすればよいのです。肩が凝りやすい人ならば、いつものように肩をもんでもらってもよいと思います。足や腰のマッサージもよいでしょう。背中をかいてももらってもよいのです。大事なことは、このサインを受け取ったら、どんなに怒りが持続しても、とにかく大人になって、そのことだけで良いのです。願いをかなえてあげましょう。これは夫婦のルールにするべきです。
  そして、願いをかなえてもらったら、かならず「ありがとう」と言いましょう。ありがとうというためにお願いするといっても過言ではありません。

  相手が修復行動に出た場合、「ごめんなさい」という言葉や態度が伴わなくても、頭を下げてきたことと同じですから、無条件に相手に感謝しましょう。本当はこちらからそうしなければならないのを先に相手が大人になってくれたということです。
  どうやら男性の方が、正義とか道理とかそういうことにこだわりやすい傾向があるように思われます。「俺は悪くないから謝らない」なんて子どもの兄弟げんかみたいなことを真顔で言います。しかし、そういうルールは、他人同士が共存するためにあるのです。家族同士の場合は、そういうルールよりも相手の気持ちを優先するべきだと思います。長続きするということに価値を置くべきです。「なかったことにする」ということはなかなかの荒わざですが、夫婦の在り方としては正しいと思います。
  将来を誓った二人です。ちっぽけな思想信条なんかは、いくらでも放棄してよいのではないでしょうか。ごく身近なかけがえのないパートナーの心情を大事にできない人が、法律だ道徳だといっても、本末転倒だと思ってもよいのではないかと考えています。

3 夫婦の危機を誰に相談するのか

  それでも仲直りは、いつでも有効となるわけではありません。また、喧嘩にならないで、冷戦状態が続くことも厄介です。こうなると、第三者の力を借りることが必要だということになります。
  しかし、なかなか誰に夫婦のことを相談すればよいかがわかりません。

<仲人の勧め>
  昔は、仲人夫婦という方がいて、危機が訪れれば一肌脱いでいただいていました。むしろ、危機が訪れる前に節目節目に夫婦そろって手土産を持って訪問することによって、危機が生まれないような防止の役割も果たしていたようです。結婚式のことを思い出して、初心に戻るという効果もあったようです。しかし、現代では仲人さんは頼まず、あっても形ばかりの存在で、披露宴以降会ってもいないということが多いようです。
  仲人の良いところは、夫婦を修復しようというところから発想が始まるところです。夫をコントロールできる、妻をなだめることができるという利点があります。妻にとっては、仲人の存在が安心の材料になるわけです。夫が暴力をふるうものなら、仲人さんに訴えてやるということが言えるということは強いです。夫は仲人さんの信用を失うと身近な社会的地位が失われかねないので効果があるわけです。

  仲人が夫婦であるということも利点があります。現代では、夫に対する不満を男性に聞いてもらいながら、変な関係になって、子どもを連れて出て行くということが少なくなく目にします。全くもって本末転倒です。このような事態を防止する観点からも、そういう意味で安全な人が大切です。そういう点、例えば対人関係学的弁護士などの事務所での相談も有効かもしれません。私も結構、結婚している人たちだけでなく、離婚後の仲人みたいなことをボランティアでやっております。

<インターネット、書籍、カウンセリング>

  現代はインターネットで検索することがはやっているようです。危険なことは、二つの危険、不安をあおるような記事が横行しているということです。どこまで親身になって、夫婦の仲を修正するかということには疑問があります。とにかく夫を攻撃して、妻の不満を拡大するだけの人たちは結構多くいるようです。
  まずは、このブログだったり、対人関係学のページだったり、家族の修復を優先するということを掲げていることを確認していただきたいと思います。心理療法でいえば、家族療法を掲げているカウンセリングは比較的信頼できるかもしれません。書籍であれば、水島広子先生の対人関係療法を読むことをお勧めします。比較的書店や図書館で手に取りやすいものですし、何よりもわかりやすい。お医者様が書かれたものですが、身近な例が記載されていて理解しやすいし、読んでいて面白いです。弁証法的行動療法も、お勧めできる理論なのですが、自分で読むよりもカウンセリングを受ける方が早いでしょう。

<家事紛争調整センター創設こそ現代的>
  本当は、国家予算で、家族の修復の相談を受ける機関があるべきだと私は思います。これまでは、舅姑がある程度機能していましたし、仲人さんも機能していましたからある程度自己責任ということでもよかったと思います。ところが、現代は、核家族が進み、仲人さんはいないという事情があります。昭和のころまでと違って終身雇用制という安定した経済基盤が崩壊しています。将来に対して不安を感じる要素が売り出したいくらいありすぎるわけです。家族が危機に陥り、危機から脱却できない事情が、昔に比較できないほど存在しています。公的な救済機関、相談機関があってしかるべきだと思います。
<警戒するべき支援者の見分け方>
  特に警戒したほうが良い支援者という類型があります。それは、一方が悪く、一方が正しいと断じる支援者です。特に夫婦の一方からだけ話を聞いてあなたは悪くないという人は、善意であっても夫婦の崩壊に導いています。どちらが良いとか、どちらが悪いということも、夫婦ではあまり意味のあることではありません。むしろ有害だと思います。正しくたって悪くたって、一生涯のパートナーなのです。悪いほうだけが行動を改めるということよりも、双方が夫婦というチーム状態に不具合があり、それを共同作業で修正するという発想の方が、修正も容易ですし、実行力もあります。