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中小企業と地域司法計画 [中小企業]

最近、中小企業からのご依頼がぐんと増えています。
考えてみれば、日本の経済単位の大部分が中小企業なので、
中小企業が元気にならなければ、
日本経済が元気にならないのは当たり前でして
(大きく出ましたが・・)

日弁連の旧執行部は、何かと批判がありましたが、
私がかかわる分野で、二つ画期的なことをしています。
一つは、日本医師会との連携を始めたことです。

もう一つは、中小企業支援事業を始めたことです。
始めたというか始めることにしたというか・・・
残念なことに、任期ぎりぎりで始めたので、
あとがあんまり続いていない。

何が続いていないというと、
制度そのものはあるのですが、
肝心の中小企業が、
いまなら初回無料で、弁護士相談を受けられるという制度を
知らない
ということです。

私は、この事業の仙台弁護士会の親玉が同期なので、
宮城県の南部を買って出て、
商工会や商工会議所にビラを配りに行っているのですが、
他の地域はやっているのだろうか。
なかなか商工会レベルまで、チラシが下りていないのです。
本当は降りていることになっているのですが、
どこかで止まっている。

ただ、チラシを下せば電話が来るという発想がだめなので、
やはり、顔を出して、「やってますよ。」
と声をかける、ああこういう人が弁護士かと
先ず、商工会の人たちにわかってもらう
そうでなければ、今までと一緒です。

あとは、企画ですね。
無料講演会や無料相談会等
商工会の企画に参加して、
中小企業の人たちに顔を見てもらう

講演会では多重債務問題や、離婚問題、
その地域の関心ごとに近いものを話してくる。
司法を身近に感じてもらう
質問を受ける中で、司法サービスの改善点が見えてくる。

立派な地域司法計画なんですがねえ。

私は手伝いという肩書しかないので、
ここで、話をするだけですが・・・

弁護士会は、20年近く、地域司法計画と言って
地域の司法サービスの充実のため、
各弁護士会が総合計画を立てるよう
声掛けをしているのですが、
なかなか理念的なところも曖昧なところがあって進んでいません。

中小企業を軸にして、
中小企業の地域、従業員の家庭と広げていけば、
地域の現状と課題、方向性が見えてくるはずなのです。

とまあ、私もブチ上げているのですが、
なかなかあれもこれもできないので、
中小企業支援事業については、
一兵卒ということで働かせてもらいたいと思っているしだいです。

事業譲渡絡みのトラブル 弁護士連名での理不尽な内容証明 [中小企業]

今日現在、私が訴訟を担当しているある事件も
類似点があるので、紛らわしいのですが、
それではなく、別の相談事例だということをことわっておきましょう。

弁護士の名前で内容証明郵便が来たというので、
相談される例で、
これはちょっと、という例が増えているようです。

内容証明郵便を受け取る方は、
10人近い弁護士から連名で、請求書やら警告書やらくるので、
恐怖心を抱いてしまうそうです。

裁判例等引用して、
その人の行為が、さも違法、不当な行為で、
裁判になるぞと書いてあるのです。

しかし、プロの私から見ると、
引用されている裁判例も、
引用するには事案が違いすぎて不適当だし、
こんなことで、こんなに多くの弁護士連名で、
内容証明郵便を送りつけるということは、
脅しにはならないかと疑問を抱く内容なのです。

法律的には理解のできない文章で、
脅し、嫌がらせと言うなら、理解できる文書
としかいいようがないものです。

話を聞くと、共通項があります。
連名の弁護士は、いずれも経験年数が浅いこと、
会社の代理人として個人に対して手紙が出されていること、
会社は、旧経営陣が交代し、
新しい会社がスポンサーとしてはいり、
事業を再開しようとしているところ等です。

東京や大阪など大規模な弁護士会の弁護士事務所
というところも、共通項がありそうです。
仙台あたりでは、ちょっと考えにくい。

対処法ですが、信頼できる弁護士に相談するしかありません。
あなたが、地方に住んでいるならば、
弁護士会の法律相談で大丈夫だと思います。

あなたが中小企業経営者、独立事業主なら、
日弁連のひまわりホットダイヤル050-001-240
にご相談ください。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/sme/

もよりの商工会も力になってくれるかもしれません。
役場の商工観光課にも話を通すのも検討してください。

あなたが労働者ならば、日本労働弁護団に相談
というのもありうるでしょう。

弁護士被害110番を解説しなければならないかと考えて、
最近気持ちが落ち込んでいるのです。

日弁連の中小企業応援活動 ひまわりホットダイヤル [中小企業]

日弁連では、昨年度から、
中小企業の応援活動に力を入れています。

これまで、中小企業といえば、
何か問題があって相談する人といえば、
税理士、社会保険労務士なら良いですが、
怪しげコンサルタントや
有力者、同業者なんかが多く、
結構、法律や判例と違うことが、
正しいとされてしまっていたことも多くあり、

実際裁判を担当して、
もっと早く弁護士に相談すればよかったのに
と思うことが、
自分の依頼者の中小企業経営者にも思っていたし、
相手方の中小企業経営者にも
思っていたことが少なくありませんでした。

ただ、弁護士も、中小企業経営者にとって、
身近な存在とは言えず、
遠い、敷居の高い存在だったという反省から、
日弁連は、積極的に中小企業に打って出ようということで、
日弁連中小企業支援センター ひまわり中小企業センター
を立ち上げたのでした。

特徴的なことは、
日本中どこからでも
0570-001-240に電話していただければ、
最寄りの弁護士会の中小企業問題の窓口事務局につながり、
おおよその相談内容を聞いて、
事務局から相談担当弁護士に連絡をとり、
相談担当弁護士から相談者へ電話が行くという
システムになっています。

電話だけで解決すればお金はかからないと思いますが、
今ならキャンペーン期間ということで
初回の法律相談は無料ということになっているところも
多いのではないでしょうか。
日弁連のホームページです。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/sme/hotdaiyaru_naiyou.html

ただ、電話を待っているだけなら、
今までとそんなに変わらないぞ日弁連と
突っ込みを入れたい人も多いでしょうが、
実際の、例えば仙台弁護士会の担当者なんかは、
ホットダイヤルなどよりも、
日常的なお付き合いが大事ということで、
地道に商工会や商工会議所を回ったりして、
ライフワークにして活動をしています。

担当者が友人なので、私も陰ながら、
中小企業支援弁護士の講習会を手伝ったり
したことは、以前書きましたか。

ふと気がつけば4月から始まっているのですが、
まだ、事務局から電話は来ないな。
ひまわりホットダイヤルって、
宣伝されているのでしょうか。

使用者側弁護士研修の講師のオファーが来る [中小企業]

これまで、それほど大した理由では無いのですが、
顧問契約はお断りして、事件ごとに依頼を受けています。

大きな労働組合との継続的なお付き合いもなく、
色々な意味で、自由な立場で仕事をしています。

敢えて言えば、市民派とでもいいましょうか。
普通の人々の事件で、これが奥が深いのです。
素直にやりがいを感じてやっております。

まあ、労働事件については、これまでは、
労働者側の代理人になることが多かったのですが、
使用者側を断っていたわけではありません。

弁護士会や法テラスの関係では、
労働事件は労働者側からしか来ません。
労働者側弁護士というレッテルというかラベルが
貼られているのでしょう。

そんな私に、
使用者側弁護士に対する
労働事件の講師のオファーが来ました。
日弁連は、今、中小企業相談窓口を開設し、
中小企業の法律サポートに力を入れているのです。
相談担当の弁護士研修を行う必要に迫られています。

その当会の担当者が私の同期なので、
頼みやすかったというのが理由の50%以上を占めます。
残りの理由は、予算が無く、
講義のあとで一杯おごるという報酬契約で
頼めるのが私ということだったようです。

中小企業であれば、
私も使用者側で労働事件をやったことも
無いわけでもないので、
実は、適任なのです。
彼は、こういう勘がものすごく働く人物です。

講義の準備をしていると、
確かに、労働事件をしていると、
使用者側の大家と呼ばれる弁護士が代理人となると
比較的スムーズに事件が解決してゆき、
あまり裁判までなりません。
労働法という共通言語があるので、
激しく利益対立しても、解決の道は
近寄ってくるのです。

労働法は、あまり大学でも習いません。
必修科目になっているのは私の母校くらいではないでしょうか。

しかし、法律をわからないで、
生の利益だけを主張されると、
もう収集がつかなくなります。
話し合いで解決せず、裁判となり、
裁判官から説得されてようやく和解、ということでは、
どちらも不幸になってしまいます。

使用者側だとしても、
労働法を知ってもらえれば、
こんな不幸は無くなるわけで、
喜んで、講習を担当するわけです。

また、使用者側には、使用者側の苦労、
辛い話も多く、
この辺もよく理解してもらわないと、
中小企業の相談は難しいかもしれません。

労働者の解雇を迫られるつらさ、
どんな逸脱した労働者でも、
解雇を言い渡す時は、
まじめな使用者ほどつらいものです。

解雇をしたとなると
地元の評判も気にしなくてはなりません。

賃金が払えないつらさもあります。

会社にお金が無くても賃金を支払う方法を
お話ししてきます。(これは機会があればここでも)

だから、この企画は、大いに乗り気でおるのです。

(しかし、使用者側で事件を見ると、
労働者側も研修の必要はあるのではないかと・・・)

日本を不況にする倒産ビジネスその1 [中小企業]

分類が難しいのですが。一応民事・消費者かなあ。
昨年法律相談の中で出てきた事例です。

前提として、破産したり、返済できない場合、
その会社の不動産(土地、建物)が競売にかけられることになります。
競売になると、時価の3分の1以下で売られることになります。
タイムリーな表現をすると70%オフです。
そして、抵当権も消えます。

例えば1億円を銀行から融資を受け、
レジャー会館を担保に入れたとします。
仮にレジャー会館は普通に売れば1億円で売れるのに
競売になれば3000万円以下でしか売れなくなり、
銀行は7000万円の損をすることとなります。

レジャー会館を買う側とすれば、
普通に買えば1億円するレジャー会館を
3000万円で買えるので、
7000万円儲かることとなります。

レジャー会館が倒産して損をするのは銀行だけでなく、
例えばレジャー会館を改装していたような場合、
改装費が2000万円だとします。
レジャー会館が倒産してしまうと、
2000万円は丸損となり、
改装会社は連鎖倒産の危険が生じるわけです。

レジャー会館を買った業者は、
この2000万円を支払わないですむことになります。

問題は、これが意図的になされた場合です。

はじめから、レジャー会館(A社)を倒産させることにする。
X社がレジャー会館を買い取り、
Y社に転売なり賃貸なりすると言う計画をたてる。
もともとA社の経営は苦しいから、
社長に数百万円を握らせて(ここには脱税の可能性)、
A社の破産手続きをさせる。

これを実際破産する1年位前から計画し、
築30年のレジャー会館の改装を発注する。
総工費2000万円。短期に支払いをすることを匂わせる。

固い業者であれば、何で今頃改装するんだと請け負いませんが、
他県のいわゆるブローカー業者は、経営が苦しく、
ギャンブル的に引き受けて、下請けに回す。

下請けも同様に苦しい状況で、元受とは仕事をしているので、
元請けを信頼して、孫請けや労働者を臨時雇用する。
もちろん、A社はお金がないから元請けに代金を支払わない
元請は、下請けにお金を払わない。
下請けは孫請けにいくらか払うか払わないか。

改装が概ね終了するころ、
実はA社は経営難に陥っているので代金は一切払われない
と告げるわけです。
このときはもう後の祭りです。

X社は、1億円の建物を3000万円で買い、
裏金の数百万円を支出しても、
改装済みのレジャー会館を
改装費2000万円も支払わないで
入手することができるわけです。

元請、下請、孫請け、労働者は、
ただ働きを数ヶ月しているわけです。
元請、下請けは、もともと経営難だったので、
引き金になって、事実上倒産となるわけです。
労働者もサラ金の支払いができなくなり
自己破産する。

X社は、例えばレストランチェーン店に
このレジャー会館を賃貸し利益を得る。

他人を犠牲にして(倒産、破産を増やして)、
利益を得るビジネス
こういうのを倒産ビジネスと名づけましょう。

証拠がないので、意図的に行ったとして
実名を出して問題にすることができないのですが、
どうも、このような倒産ビジネスが
日本の不況を作っているような話をよく聞くのです。



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